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PUKUBOOK Succulent picture book

2021.6.116月にやること 夏越しの準備と限界へのケーススタディ

暑い! 蒸し暑い!

ついにこの季節が来てしまいました。昼の気温は30度を超え、わが家ではなんとかエアコンを使わずにガマン大会していますが、ほとんどの多肉植物にとってはもうガマンの限界のはず。これから迎えるさらなる灼熱地獄を乗り切るために、今からできること、今しかできないこと、今はもうできないから覚悟だけ固めておくことなどをメモしておきます。

夏越しの基本

冬型や春秋型はもちろんのこと、夏に生育するという夏型の多肉であっても、日本の高温多湿な夏は控えめに言って地獄です。日本の夏は赤道直下の熱帯雨林のような環境で、そもそも乾燥している地域に適応した多肉植物は生きていけません。じゃあそのジャングルのような環境にならないようにするためにはどうすればいいか? ポイントは3つです。

1. 一瞬たりとも直射日光が当たらないようにする

経験上、最も危険なのは「直射日光」だと思います。日中は10分でも当たるとアウトだと思ってください。特に注意したいのが、夏の最盛期を過ぎた9月。日が傾いてきて、今まで日が当たらなかったところにも日が差し込むようになってきます。油断せずに監視を続けましょう。

2. 雨が当たらないようにする(濡れてもすぐ乾くようにする)

雨にあてても大丈夫な季節は終わりました。多肉植物は1~2ヶ月くらい水をやらなくても枯れません。夏の間は全くやらない覚悟で挑むか、水が必要になったとしても、時間や量を完全にコントロールしましょう。

3. 10月上旬まで維持する

夏っていつまでなの? 9月の中旬になると暑さも和らぎ、夜になると涼しい風も吹き、多肉さんたちおつかれさま!と水を上げたくなりますが、その翌日に30度近い高温になって一気に溶けたりするので油断は禁物です。長期天気とにらめっこして、最低気温が20度、最高気温が28度を超えない日が続く日までは夏だと思って対策を維持しましょう。僕が住む大阪だと、10月に入らないとそんな気温になりません。9月は夏。その意識を忘れずに。

夏越し前の今のうちにやること

そんな3つのポイントを踏まえて、今の季節にできることは主に3点です。

日差しと雨を避けるため軒下に退避

日差しと雨が避けられる軒下に移動しましょう。できればいつでもすぐに動かせるように、大きなトレイを用意して入れておくと機能的です。個人的に、あんまり見た目がよろしくないのでプラスチックのトレイ(育苗トレイと言う)は使いたくなかったんだけど、どうしても必要にかられて買ってみたら便利すぎて「今ままでごめん」という想いで胸がいっぱいになりました。

ちなみに、空気が動かないのと日差しが弱すぎて溶けるリスクが案外高いので室内はあまりオススメできません。きっとこの「軒下に避難できる物量」が、自宅で管理できる株数の限度なんだと思います。

トレイに並べてまとめて軒下に避難
気温を下げるための日除け

テラス、ベランダ、庭を問わず、直射日光があたる屋外スペースがあるなら、日除けを用意しましょう。自宅のすべての多肉が軒下に収まってすでに日が当たらなくなっていたとしても、その軒下の気温を下げるために必要なものです。室内のエアコンの効率もアップしてエコなので、多肉がないお宅にもおすすめしたい夏を乗り切る生活の知恵です。

わが家はコンクリートマンションのテラスでタープを引っ掛ける場所がなかったのですが、屋外用の突っ張り金具でツーバイフォー材を柱にして、ねじ込みフックで取り付けています。台風が来ても飛ばないくらい頑丈です(けど強風のときは外しますよ!)。

夏越しの準備 日除け
通気性を良くするための下葉とりと植え替え

基本的に植え替えのベストシーズンはもう過ぎていますが、密でぎゅうぎゅうになってしまっている株があったら、風通しを良くすることを目的に植え替えや下葉取りをしておきます。特に、水をやるとじっとり濡れる保水性の高い土で、下葉が土にくっついているような株(茎が見えない株)は危険です。僕がよくやるのは、一度茎が見えるまでスッキリさせて、水はけの良い化粧土でカバー。見た目もスッキリしていい感じです。通気性と乾燥が目的なので、植替えの後も水やりはしません。

わかりにくいけど中央が黄色く変色して危険な香り
じっとり保水性の良い土が根元に密着し下葉が溶けています
根元の土と下葉を取り除いて茎を露出
露出した茎の周りに水はけの良い黒玉土でカバー

もし余力があれば、アガベは夏に劇的に大きくなったりするので、根詰まりしてるものは植え替えておくとさらに大きくなってくれたりします。ただアガベが風通し悪くなることはないし、滅多に溶けないので、余力がなければ秋まで放置しても大丈夫です。

どこまで耐えられるのか? ケーススタディ

こうして完璧に物理的な準備をしていたとしても、実際にしわしわ、カリカリになっていく多肉たちを見ているとどうしても「やばい!やっぱり水をやらないと死んでしまう」と思ってしまいがち。いったい彼らはどこまで耐えられるのか? 逆にどうなったらヤバいのか?をいくつかの実例で紹介します。

無防備な日差しでほぼ全滅した多肉畑(笑)とはいえこんな環境でさえ復活してくるツワモノはいます
大丈夫なケース

どれだけシワシワになっていたとしても、部分的に黒ずんだりするような変色がなく、多肉植物本来の色を保っているなら、それはほぼそのまま復活します。シワシワは怖るるに足らず。

9月 ヘロヘロになっているアフターグロー
11月 完全復活したアフターグロー
9月 枯れ散らかしたセダム
水をやって1週間 枯れた部分は戻らないけど緑色の部分は元気に
ヤバいケース

最もヤバいのは中央が黒ずんでくるヤツ。触ると葉っぱがポロポロ取れて、茎がジュクジュクするという。原因はほぼ100%強い日差しによる体内温度の急上昇。この状態になるともうほぼ回復は不可能。これを全力で避けるのが夏のミッションです。

中央が黒ずんできたエケベリア こうなったらもう諦めるしか無い

判断が難しいのは休眠中の生長点が消えて無くなるケース。どれだけ小さくても生長点が生きていれば復活するし、茎が元気ならそこから芽吹くこともありますが、この写真の株はさすがにこのまま息絶えました……。

生長点がなくなったアオエニウム

まとめ

偉そうに書いてますが、わが家は毎年ほぼ半壊させています(どうやったらヤバいのか体得するためにわざとやってるんだぜ!と言い訳しておく)。また、ベテラン生産者さんのハウスでも真夏に行くとチラホラ溶けているので100%守り切るのは不可能なんじゃないかと思います。

大量絶滅しても決してメゲたりせず、多肉を続けてくださいね。本当に必要な準備は、何があっても折れない心です。夏を乗り切ったら、秋から冬の最も美しい多肉ガーデンづくりが待っていますから。

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