シナバリ
Dracaena cinnabariドラコ D. draco と並ぶ2大「竜血樹」。こちらはソコトラ島の固有種でキノコのような樹形、あちらはカナリー諸島やモロッコ周辺の固有種で、ブロッコリーのような樹形と言われています。名前は「竜血」を意味するとウィキペディアに書いてあるけどちょっと不親切で、正確には「Cinnabar 辰砂」という赤い鉱石のこと(この辰砂の別名が「竜血」)。その赤い樹液を薬や化粧品として取引されていて、ソコトラ産の Kinnabari と呼ばれていた記録が1世紀頃の資料で確認できるとか。なので、人類とのお付き合いはドラコよりずっと古いけど、植物学で扱うようになったのがドラコより100年くらいあとなので竜血樹の代表種の座はドラコに譲っています。それと、和名はベニイロリュウケツジュというけど、紅色はたぶん「辰砂」という名前に由来していると思います。別に葉や幹などどこかが特別赤いわけじゃありません。ドラコより耐寒性が低く屋外越冬ができるか怪しいことと、成長スピードが遅いこと、そもそも数が少ないことなどから園芸市場では圧倒的にシナバリのほうが入手が難しいです。



| 季節タイプ | ー |
|---|---|
| 日あたり | 日なた |
| 耐寒温度 | 0℃ |
| 開花時期 | - |
グレイ表示は一般的なドラセナ属の情報です。
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世間一般で「竜血樹」といえば、カナリー諸島のドラコとソコトラ島のシナバリしか知られておらず、姿も似ているので、姉妹のように考えられていました。ただこんなにも地理的に遠いのに姉妹って「なんで?」って思いません? その疑問にちゃんと向き合ったのは2020年の遺伝子解析研究で、「カナリー諸島の竜血樹と、ソコトラやアラビアの竜血樹の近縁関係は否定された」と。詳しい起源はまだまだ謎が残るけど、それぞれの竜血樹はかなり古い時代に枝分かれし別々の進化を遂げ、行き着いた先(カナリー諸島とソコトラ島)の環境が似ていたのでたまたま似た姿になったということなのかも。
どちらも似ているので画像検索するとごっちゃになって出てくる傾向がありますが、原論文にもある明確な違いとしては、ドラコは多数の幹を束ねたような姿、シナバリは1本の幹に見えること。写真を比べた観察としては、ドラコのほうが枝が「逆円錐形」で幹の途中からよく枝分かれしているのに対し、シナバリは「キノコ型」と言われるように幹の高いところから急に横に広がる枝ぶり。葉の付き方も、たくさんのユッカが集まったようなもこもこした印象なのがドラコ、若草山のようにきれいに生え揃っているのがシナバリと言ったところです。
園芸市場に出てくるサイズではほとんど見分けが付きませんが、ドラコのほうが葉が柔らかいのか垂れ下がって噴水状になっているけど、シナバリは放射状に真っすぐ伸びている株しか見かけません。ここは並べて比較したわけじゃないので追跡調査します。
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