WWFの会員になっている大きな理由のひとつが「会報誌」です。年4回の季刊で、WWFが注目している昨今の環境問題や保全活動がざっくり把握できます。こうした「広報活動」もWWFの活動資金として必要不可欠なものだと思います。その目的は一人でも多くの人に知ってもらうことであるはずなので、ささやかながらこの場でその内容をさらっとお伝えしておきます。
個人的にオージープランツが好きなこともあって、とても身近に感じた話題がコチラ。
2019年から20年にかけて、オーストラリア東部で「過去最大級」の森林火災があったというニュースは記憶に新しいところです。19年の森林火災は「かつてない規模」で、11万平方kmの森や草原を焼き、約6万頭のコアラ、500万頭のカンガルーやワラビーが影響を受けたと言われています。
これをうけてWWFでは、2021年から森林保全活動のエリアに「オーストラリア東部」を対象に加えました。主なプロジェクトも2つ紹介されていて、1つは森林の減少を食い止める「2 Billion Trees」、もう1つはコアラの生息地拡大と個体数増加を目指す「Koala Forever」。こういった活動を行っていくのでご支援よろしくおねがいします!とのことでしたので、さっそくPUKUBOOKからも、ささやかながら支援させていただきました。
以下はWWFのレポートでも触れられていましたが、他のメディアも調べて補足してまとめたメモです。
オーストラリアでの森林火災は決して珍しいことではなく、毎年12月から3月の「シーズン」に、雷その他の原因で自然火災がしばしば起こります。ユーカリなどのタネはなんとこの「火災」がないと芽吹かない(高温や煙にさらされるのが発芽条件)というくらい、長い進化の歴史の中ではよくある出来事です。
ただ最近は、その頻度も多くなり、規模が大きく、長期化する傾向に。特に19年の森林火災は度が過ぎたようです。焼失面積は約11万平方km。オーストラリアがデカすぎてピンと来ませんが、日本でいうと北海道と九州を合わせたくらいの面積です。本州だとだいたい半分くらい。また、日本の森林面積が25万平方kmなのでその半分くらい。日本だったら滅んでいる規模です。
繰り返しになるけど、森林火災自体は珍しいことではありません。BBCの記事に詳しく載っていたのですが、過去100年で死者50人以上の大きな火災は5~6回。直近だと2009年の「Black Saturday」と呼ばれる被害が死者数と被災建物数では過去最大規模(焼失面積は4500平方kmなので19年はその20倍以上)。ただ、BBCの資料から読み取れるのは火災の大きさよりも、頻度。2000年から急にポコポコと増えているんですね。明らかに近年の火災の頻度が異常です。
その主な原因は地球温暖化による気候変動! もちろんそれだけじゃないけど、大きな原因であることは間違いありません。だとすると、この森林火災を根本から解決するには、地球環境問題を解決しないといけない。森林保護したってまた燃えるだけじゃないか。だから森林保護は、やっても無駄?というとそういうワケじゃなくて、CO2をへらすには森林を増やさないといけないし、それがどれだけ無駄になっても、やらなきゃいけないこと。例えば、自宅の屋根が毎年台風で飛んでしまうとしても、屋根を修理せずに住むわけにはいかない。それにはお金がかかるからみんなでサポートしあおう。といったハナシですね。
もし支援金はWWFじゃなくて現地に直接届けたい!ということであれば、こちらの窓口にもアクセスしてみてください。
(情報ソース:USA TODAY)
といったところです。
ちなみに昨シーズン2020年から21年にかけてはまったく逆で、記録的な冷夏と降雨量により、森林火災は少なかったけど大規模な洪水に見舞われた地域もあったそうです。異常気象は一筋縄ではいかないようです……。