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2022.7.29 アガベの天敵アザミウマとの死闘で学んだ本当の病害虫対策 「殺虫・殺菌剤の選び方」

ゆっくりゆっくり生長するアガベ。新しい葉っぱもその姿が見えてから開くまで平気で数ヶ月かかります。そんな、ようやく開いた新しい葉っぱにガッツリとかさぶたのようなキズが走っていることがあります。それが「アザミウマ」です。

今回はそのアザミウマ対策……というよりも、アザミウマ対策を調べていて見つけたどんな病害虫が来ても迎え撃てるようになる「殺虫・殺菌剤の選び方」を勉強します。

アザミウマとは

新しく展開した葉っぱにかさぶたのようなキズ これがアザミウマ被害の典型例

ワタクシ実物は見たことありません。小さな小さな昆虫の一種。小さな虫なので食べる量もごくわずか。葉っぱの表面をかじってその中の樹液や組織を食べているんだそう。
小さな口だから傷口も当然小さく被害も小さい……はずなのですが、ヤツラが狙うのは「新芽」なんです。それもまだ展開すらしていない小さな小さな新芽。ぎゅっと密に折り重なった新芽のスキマに入り込んでガブリ。小さな傷も葉っぱの生長と一緒になって大きくなっていきます。さらに1枚だけならまだしも、何枚もの葉っぱが同時にやられます。そして、そのキズはもちろん葉っぱが生長しきって役目を終えるまで残り続けるので、発症から回復まで少なくとも数年。ちょっとの油断が大きなダメージになること、ご理解いただけますでしょうか。

アザミウマとの激闘の記録

アザミウマに食われるとどうなるの? どんな症状が出るの? それを学ぶために、うちで今までで一番被害が大きかったファイヤーボールをご紹介します。うちに来た直後の新芽が食われ展開1枚目から出始め、まさかの生長点の一番上をムシャられた結果7枚もの葉っぱがダメージを受けキレイ葉っぱが出てくるのに1年半くらいかかりました。ダメージ葉っぱが下葉になって全体的にきれいになるのにあと1~2年くらいかかりそうです。

2021年8月 アザミウマ被害の出始め この時点でガッツリ殺虫剤を撒いたけど時すでに遅し
2021年11月 葉っぱが展開して絶望 なんと生長点のトップがムシャられてる
2022年6月 いまだノーダメージの葉っぱが出てこない
2022年7月 ようやくダメージのない葉っぱが顔をのぞかせてくれました

とりあえず結論

ベニカXファインスプレー
ベニカXファインスプレー

今後に役立つノウハウは後で読むから、とりあえず今すぐできるアザミウマ対策を教えて!という方。わかります。お答えしましょう。これ1本あれば大丈夫です。うちではこれをシュッシュして乗り切りました。「死闘」なんて書いたけど、死闘な雰囲気なのはその大きな傷痕だけで、アザミウマでアガベの株そのものが枯れることはほぼありませんし、対策するとわりとすぐに沈静化します。

ただ、繰り返すことがあるので常に油断大敵なのと、葉っぱが薬害で焼けてしまうことがあるのでやり過ぎに注意というサイトがありました(うちでは起こったことはありません)。

家庭園芸用GFオルトラン粒剤

写真がなくてスミマセン。基本的にはベニカXファインスプレーがあれば十分ですが、これは「対症療法」的で、被害が出てから対策する雰囲気です(被害が出る前に定期的に使用するなら予防に使えます)。そもそも被害が出ないようにしたい場合はこの「オルトラン粒剤」を撒いておくと良さそうです。特にほかの多くの害虫に効くので、どの鉢にもとりあえず仕込んでおくと良さそうです。

デメリットとしては臭いがきついのと、虫が植物を噛じったときに初めて効くので、食害は最小限に抑えられるけどゼロにはならないんじゃないかということ。ここは経験不足なので想像です。もしかしたら大丈夫なのかも知れません。

殺虫・殺菌剤の選び方

さて。病害虫対策は調べればいろいろ出てきます。けど逆にサイトや文献によってマチマチです。自分で選ぼうとしても、ホームセンターの殺虫・殺菌剤(農薬)のコーナーを覗いてみるとわかりますが、恐ろしいほど種類がたくさんあります。薬剤の薬効表を見ても「アガベのアザミウマ」なんて書いてあることがほぼなくて効くのか効かないのかよくわからない。我々素人はどこから始めたら良いのか手がかりが掴めません。

と思っていたところに、最強のガイドを見つけたので紹介します。それが住友化学園芸さんの『病害虫ナビ』です。

病害虫ナビの使い方

結論から言うと、調べたい病害虫ページを探し出して薬効表を「観葉植物」に絞り込むと、アガベ、エケベリア、セダム、コチドレン……といったかなり具体的な多肉植物品種に有効かどうかが出てきます。実際にそこまで手順を追ってみましょう。

病害虫ナビ
「害虫や病気の対策」
「症状から探す」
「葉・新芽」
文字情報主体なのでちょっとしんどいけど近い症状を探す
症状がビンゴであれば「有効薬剤」
「目的の植物分類」で「観葉植物」を選択する
商品の箱や取説の「薬効表」に出て来ないマニアックな多肉植物品種も網羅されているのがポイント

ちなみにアザミウマで観葉植物に絞り込むと出てくるのはこの7種。

・ ベニカXネクストスプレー
・ ベニカXファインスプレー
・ ベニカ水溶剤
・ 家庭園芸用GFオルトラン水和剤
・ 家庭園芸用GFオルトラン粒剤
・ 家庭園芸用スミチオン乳剤
・ 家庭園芸用マラソン乳剤

複数出てくるときの選び方としては、一番カンタンなものから初めて、どうしても効かない、あるいは効かなくなってきたら次を試すというスタンスでOK。その一番カンタンなものの選び方はもちろん「使い方」を見る……と言いたいところですが、それよりも「注意点」を見るとわかりやすいです。というか、注意点を見てよくわからないこと書いてあったら避けるといった感じです(笑)。

ベニカXネクストスプレーとスミチオン乳剤の注意書きの違い。スミチオンはどう見ても劇薬としか思えない雰囲気……。

一番カンタンで効果が高そうなのは「ベニカXネクストスプレー」ですが「ベニカXファインスプレー」の1.5倍くらいのお値段なので、ベストセレクトは「ベニカXファインスプレー」にさせていただきます。

まとめ

アザミウマはアガベに限った病害虫ではありません(そもそもアザミという花に多いことに由来した名前でナス科やウリ科の野菜に多い)が、少なくとも我が家ではアガベ以外の多肉植物で被害を受けたことがないので、アガベが大好きなのは間違いありません。

ただ、対策自体は難しいものではありませんし、ベニカXファインスプレーは殺虫だけでなく殺菌にも効果があり、多肉植物全般のいろんな病害虫に色々と効いてくれます。大きなのを1本持っておき、月に1回、多肉畑全体をシュッシュすることを習慣にしてみませんか?

あ、最後に念を押しておきますが、決して、決してベニカXファインスプレーの回し者でも案件でもありません

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