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PUKUBOOK Succulent picture book

2022.1.21 全米No.1!多肉植物シェア80%の巨大企業なのによく知らない「Altman Plants」ってナニモノ?

ホームセンターに行くと、クールな紙ラベルが刺さった大きめプラポットの多肉植物を見かけませんか? 著名な定番種ももちろんありますが、ちょっと他では聞き馴染みのない、彩り豊かな新品種がラインナップされているあのラベル。「eARTh SUCCULENTS」というブランドのあれです。今回はこの「eARTh SUCCULENTS」にまつわるお話です。

Altman Plantsとはナニモノなのか?

Altman Plants の本拠地 Vista にあるナーセリー。Google Earthでハッキリと確認できるそのケタ違いの規模

多肉植物を調べていると「このハイブリッドは〇〇さんが作出した」といった文脈で登場する名前がいくつかあります。その中でわりと高頻度で登場するのが「Altman Plants の Renee O'Connell さん」という名前。ちょくちょく見かけるので、そこそこ大きな会社なのかな? 多肉植物業界では有名な会社なのかな? なんて思っていたのですが、実体はとんでもございません。

創業1975年。今も現役でご活躍の Ken と Deena の Altman夫妻が創業者。最初は「窓辺の趣味」だった多肉植物のコレクションから始まって少しずつビジネスを拡大していった結果、2022年現在、全米に6箇所、合計1700エーカーの敷地で生産する、花卉植物業界でダントツNo.1のスーパービッグ企業になっています。従業員数は4,500人。ちょっと前の2018年に、その時No.2だったAltman PlantsがNo.1の企業を買収して業界トップに躍進したという勢いに乗っている企業。まるで多肉植物業界のスターバックスかマイクロソフト

ちなみに「1700エーカー」と聞いてもピンときませんが、東京ドーム150個分。それでも全然ピンとこないので、失礼ながら日本で有名な某多肉植物生産者さんがどのくらいかというと東京ドーム1個分。それでも十分大きいと思うのに、なんとその150倍。全米の多肉植物シェアは80%にもなるそうですし、そもそも花卉植物業界でNo.1なので、アメリカの多肉界隈では知らない人がいない会社なのではないでしょうか。

Renee O'Connell さんって誰?

Renee O'Connell さんはそのAltman Plantsで、エケベリアを中心に新しい品種を作っている責任者。肩書は「Succulent Plant Development Manager」となっています。彼女のつくるハイブリッドは、白なら白、赤なら赤、フリル、カール、ムチムチ……とその種の特徴や個性がハッキリしているものが多い印象です。

#ちなみに Renee O'Connell さんでググると こちらの記事のお写真が出てきますが、この女性はAltman Plantas CMOの Ingeborg Carr さんと思われます。

#カタカナ表記は揺れますが、英語読みに倣うと「レネー オコンネル」が近いかな(発音はオコーナルみたいな感じ)。Renee はもともとフランスから来た名前だけどフランス語でも「レネー」。Rebornといった意味だそうです。

日本では「eARTh SUCCULENTS」

eARTh SUCCULENTS

そんな超巨大企業 Altman Plants ですが、日本ではその名前を聞きません。日本に入ってきていないのでしょうか? 実は日本では、岐阜の生産者ブロメリアギフさんが生産&流通させている「eARTh SUCCULENTS」というブランドが、Altman Plants との共同展開プロジェクト。つまり「eARTh SUCCULENTS ≒ Altman Plants」。実際に「eARTh SUCCULENTS」の品種の多くはRenee O'Connell さんのハイブリッドだし、Renee O'Connell さんのハイブリッドといえば 「eARTh SUCCULENTS」ということ。「eARTh SUCCULENTS」に色や形がパッキリした個性的なコが多いのはそういった事情があるんですね。

#eARTh の真ん中の大文字の部分は「ART」ですが、ALTman も意識しているのかも、と今ふと思いました。全然違ったらすみません…。

ところで、「eARTh SUCCULENTSといったら、八ヶ岳のグリーンルームさんじゃないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。この2社は、公式には資本関係は明示されていませんが、(たぶん)ご家族経営のグループ企業さんで同じ会社と思っていても大丈夫な感じと思われます(ブロメリアギフさんから多肉植物部門が分社独立したのがグリーンルームさんという感じかな?)。

Altman Plants の代表的な品種

最後にその Altman Plants の代表的な品種を紹介します。

ネオンブレーカーズ ホームセンターでもよく見かける代表的普及種。冬にどこまで赤く染められるかが腕の見せどころ
ダスティローズ こちらもよく見かける種。くすんだ紫色の大型ロゼットでインパクト大
キュービックフロスト 下のスワンレイクを親に持つ、反り返った葉っぱが個性的なハイブリッド
ハッピー ワインレッドのダークトーンカラーで子株群生するコ
アークティックアイス 白さ際立つハイブリッド。アルバよりもずっと白い印象
白鳥の湖(ドップラー) 反り返った葉っぱのオリジナル。エッジがするどく悪魔的なカッコよさ

Altman Plants の品種は説明にそう書くようにしているので、Altmanで検索すると その品種が一覧できたりします。

まとめ

多肉植物を調べているとちょいちょい出会う「Altman Plants」の名前。ちょいちょい出会うくらいだから「そこそこ有名な会社なのかな?」と思っていたら、まさかの「全米花卉植物生産者No.1」というスーパービッグ企業で、日本の多肉植物業界なんて一吹きで消し飛ぶくらいの桁違いの規模。知らなかったのはただの井の中の蛙で本当にすみません……といった気持ちでいっぱいになると同時に「世界は広い!」と改めて思わされました。

世界は本当に広い!まだまだこんな桁違いの会社が世界にはたくさんあります。いつかそんな大きな世界に、片足どころか指一本でもいいので、踏み込んでいけるくらいになっていけたらと願ってやみません。

おしらせ

だいたい4ヶ月ごとに過去2回開催してきた「期間限定ショップ」を、2月4日(金)に再び開催します!といっても「やるぞ」ということを決めただけなので、どこまでのことができるかどうかは個人的な事情と頑張り次第ということにはなります。前回は「ここでしか買えない多肉植物グッズ」と「100円スタート!コレクション株販売」でご好評を頂いたので、それがまたできたら……と考えています。ご期待ください。

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