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PUKUBOOK Succulent picture book

2022.8.19 多肉植物初心者がやるべきたった1つのこと――多肉植物と心通じるためのイニシエーション

「今までまったく多肉植物を触ったことがありません」

そんな初心者さんが、初めて多肉植物を育ててみようとするとき。苗を買ってきて自宅に置いて、育て方ってどうしたらいいのかな? 水ってどのくらいやったらいいのかな?ググってみようかな……とそんなことを考えている人に、たった1つだけ、やってほしいことがあります。これをやれば、多肉植物が他の植物と何がどのくらい違うのかが確実にわかり、育て方を直感的につかむことができるはず。

カットする

4月16日 開始前の元気な苗
いろんなタイプの多肉植物をカットしてみました

それは「カットする」です。

他の植物、たとえばそのへんの草むらに生えている雑草を一本カットして、自宅のテーブルの上にでも放置してみてください。おそらく半日と経たずにしおしおにしおれて、数日のうちに枯れてカリカリになってしまいます。切り花だってそう。花瓶には必ず水を入れて切った断面を差しておきますよね。差しておかないとすぐに枯れちゃうからですよね。それが幼少の頃から養われた「植物ってこういうもの」の常識的感覚のはず。

同じことを多肉植物にやってみたらどうなるでしょう。カットして、挿し穂をそのへんに放置してみてください。寝かせておくと変に曲がってしまうことがあるので上向きに置いておけるところ、たとえば空き瓶の上などがオススメです。

くれぐれも言っておきますが、水は入れません。

4月19日 カットしてガラス瓶に置いておく
水は入れていません

カットに役立つ道具

多肉植物をカットするとき、もちろん細い茎が見えていればハサミでカットすれば良いのですが、密なロゼットで茎が見えないときにハサミを入れるのは骨が折れます。そこで活躍するのが「糸」です。

ミシン糸 大きくてむっちむちの株には歯がたたないことがあります
デンタルフロス(セリア)安くて丈夫でコスパ最強

糸っぽいものであれば何でも良いのですが、個人的におすすめなのが「デンタルフロス」。細い割に丈夫で固い茎でもしっかりカットできます。ミシン糸は太さにもよるけど歯がたたないことがありました。タコ糸は丈夫だけど太すぎます。釣り糸、ステンレスワイヤーは未体験(丈夫すぎると指の方を切りそうで怖いです……)。

糸をロゼットのスキマに入れながら一周回して……
糸を引っ張ればざっくり切れます

カットされた根本からも子吹きします。成功率を上げるためには、この根本にも葉っぱ1周分くらい(せめて数枚)は残しておきます

2週間後

4月19日
5月4日

カットしてから2週間。当然ですが、この時点でふつうの植物だったらカリカリに枯れていますが、多肉植物にほぼ変化はありません。むしろ(カットされて周りにライバルがいなくなった分)葉っぱをのびのびと広げて元気そうです。

まずこれが、理解すべき多肉植物の特徴の1つ。水をやらない、どころか水がまったく吸えないはずの挿し穂の状態でそうそうカンタンに枯れたりしないということ。

カットした断面はカリカリになっています。こうして水が逃げていくのを防いでいます。

1ヶ月後

5月24日 さすがに葉っぱがしおれてきましたが……
カットした面からピンクの根っこが出てきました
他の挿し穂も根っこが出てきています

カットしてから1ヶ月。なんと、カットした断面から根っこが出てきました。当然、根っこなのでこのまま用土に植え付ければさらに根を伸ばし水を吸って元気に生長していきます。瓶に水を入れれば水耕栽培のように根から水だけ吸わせることもできます。

これが、理解すべき多肉植物の特徴の2つ目。カットした挿し穂は、何もしなくても断面から根が生えてきて、新しい子株として生長していくということ。

植え付けのタイミングとしては今がベストです。早すぎると根っこが出ていないのに水をやることで蒸れて痛むリスクがあるのと、逆に遅すぎるとせっかくの根が枯れたり株の体力が落ちてきて回復が遅れます。

ちなみに挿し穂で増える能力は、アイビー、ポトス、モンステラといった観葉植物やサツマイモなども備えていますが、1ヶ月という期間や、水なしでも大丈夫なのは多肉植物ならではの能力です。

根本からも新芽が出てきました

この株、根本には葉っぱを残さなかったのですが、その茎から新芽が出てきました。

2ヶ月後

6月21日 かなりしわが寄って葉っぱも閉じてきました
せっかくでてきた根っこがカリカリに……。植え付けるタイミングとしては遅かったかな

さらに放置して2ヶ月経過。さすがにしわしわになってきました。せっかく出てきた根っこも干からびてしまっていますが、大丈夫なんでしょうか?

というわけでこのタイミングで用土に植えて水をやって様子を見てみることにします。

3ヶ月後

7月27日

さらに1ヶ月。しっかり水を吸ってムチムチになり、夏らしいツヤツヤディープグリーンになってくれました。根っこがカリカリになっていたけど、懲りずにまた新しい根っこを出して根付いてくれたということですね。

まとめ

この実験から学んだことは以下の2つです。

1. 多肉植物はまったく水が吸えないカット苗状態で2ヶ月以上生きていける
2. 挿し穂は放置するだけで根を出して新しい株として生まれ変わる

多肉植物が初めてという方には、特にこの「水がなくても生きていける」ということを体感していただきたいと思い、この記事を企画しました。よく多肉植物の育て方で「水は控える」とあっても本当に控えて大丈夫なのか不安になりますよね? で、ついついやりすぎてダメにしちゃう。この「2ヶ月やらなくても枯れなかった」という体験があればそんな不安もなくなるはず。

「イニシエーション」というのは「通過儀礼」です。多肉植物を育ててみようという方にはまず最初に、絶対に1度は実践していただきたく、そんなタイトルにしてみました。

もちろんこの「2ヶ月」というのは諸条件によって変わります。今回の実験に使った一部のセダムは枯れちゃったし、逆に半年、いや1年以上、カット苗のまま生きていけるものもあります。そのあたりは「応用編」なので、ご自身でいろいろ試して掴んでみてください。

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