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PUKUBOOK Succulent picture book

2024.11.1 今すぐ捨てろ!お世話を続けることが不幸を呼ぶ「呪われた多肉植物」10選

多肉植物ライフを楽しんでいますか? もちろん中には元気に育ってくれているコだけでなく、ジュレちゃったコ、いまいち元気がないコ、思ったように育たないコたちもいるかもしれません。それは多肉植物を管理して育てているなら出会うのは必然で、もちろんそうしたコたちに目いっぱい手間暇かけて元気な姿を取り戻してくれたときの喜びは何よりも代えがたいもの。

わかってます。そういうの全部わかったうえであえて書きます。

本当にその手間隙は必要ですか? いや問い直します。あなたにその手間隙をかけてあげられるだけの十分な時間はありますか? 1つ2つなら全然あるでしょう。でもそれが、10や100になったら? もちろん一気に100に増やす人は筋金入りの人なので多くの人はちょっとずつ増えていったと思います。だからその手間隙が増えていくことに気づくことなく、知らないうちにあなたの「多肉植物ライフに費やせる時間」を蝕んでいるかもしれません。本来の、よりよい環境をより良くしていくために費やすべき時間を。

この記事は、自分自身への戒めとして書いています。その手間隙に知らないうちに時間を奪われ、手足を縛られ、やりたいことができなくなっていた自分に。手放す勇気が持てずに、気づいても動けずにいた自分に。涙をこらえてようやく断行し、呪縛から解き放たれて初めてその枷の重さに気づいた自分に。

もう二度と、その呪われていた日に戻らないために。

改めてここに宣言します。以下に該当するものは「今すぐ捨てろ」と。

繰り返しになりますが、対象読者はあくまで「100株以上を管理して、知らないうちにお世話に時間と場所を取られすぎているかもしれない人」に「気づいてもらう」ためのもので、そうでないライトな読者様はぜひこうした症状のコたちもお世話して元気にできるか挑戦してみてください。

決して「命を粗末に扱う」ことを意図していません。逆に(自分も含め)キャパオーバーになっていることに気づいていただいたら、「自分がしっかり管理できるキャパ」も知っていただけると思います。繰り返さないよう反省するための「通過儀礼」のようにお考えいただければと思います。

枯れた・ジュレた・焼けたコ

言うまでもなく、置いておく意味も必要性もまったくありません。わかってます。手が回らないんですよね。こういう「はっきり捨てるべきとわかっているもの」すら捨てられないのは、冒頭でお伝えしたように時間が奪われている何よりの証拠か、そのアイテムが本当に呪われているかのどちらかです。シャナクの呪文は必要ありません。ただ思いっきり投げ捨てれば良いのです。

このあたりまではわかりやすいですよね。あえて写真を集めているのは、供養のための遺影です。合掌。

摘出できるのはこの程度のサイズ。茎もダメージが残ってて発根する可能性は通常より控えめ。そもそも一度ジュレた環境ですし。それでもやりますか?

問題はこういう「生長点が残っているケース」ですね。たしかにこのくらい残っていれば、適切な処置で回復してくれる可能性は十分あります。ただ、摘出できるのは葉挿しでできる苗より小さいひ弱なコです。茎も傷んでて通常より発根の可能性は低め。立派なサイズに再成長させるのにどのくらい時間がかかるでしょうか? いやそもそも、ジュレたということは今の環境があってないわけで、そのまま植え付けてもまた小さくなっちゃうリスクが高いですしね。

それでもやる!という方はこちらへ

ふといつものように多肉畑に目をやると、お気に入りのあのコが突然きれいな半透明ゼリーに……。じゃない。これダメなやつ。な...

ヒビ? カビ? 病気にかかったかもしれないコ

雨上がりのトマトのようなヒビ割れ。水切れで下葉が枯れちゃった程度の変色。パッと見たときには「一時的なものですぐ回復するよな」って思っていた諸症状ですが、実は病気が原因ということがあります。動物と違って植物の病気はそうそう簡単に治りません。薬剤を巻けば大丈夫? 環境を良くすれば回復する? たしかに本にはそう書いてありますが、その対策はあくまで効果が見込めるというだけで、回復に成功する率は意外と高くありません

他の株に移ってしまうリスクもあります。気付いたら早めに処分することをオススメします。(どうしても高級種やレア種で回復を試みたい場合は、鉢やトレイを他の植物から隔離しましょう)

外葉にだけヒビ割れ。「過去に水やりに失敗した時期があったかな?」程度に思いがちですが、これは病気で、回復は難しいようです。キレイな新葉もいずれ割れてきます。エケベリア界の巨匠ディックライトさんもこの症状については「すぐ捨てろ」とおっしゃっています。
これも同様のヒビ割れ
ヒビ割れが重度になるとこの雰囲気。これだと病気だとわかりやすいですよね
外葉が枯れた?と思いきや、これも病気です。進行すると枯れた外葉に白い粉を吹いたり(ので「うどんこ病」でしょうか?)内側の葉っぱもどす黒く変色してくるのがサイン
これも同様。
内側はまだ弾力があってめくると茎は健康に見えるので「回復するのでは?」と思っちゃいがちですが、望みは薄いです。
ヒビ割れとうどんこ病?の両方の症状が出てる例
うちのデザーティは毎年必ずほぼネギになってしまいます。夏の管理が悪いのかと思ったけど、そういう病気なんだと思います(ユタエンシスも同じ病気にかかりやすい感)。また秋に復活するからイジらしい。
カイガラムシが付いていたのでカイガラムシだと思っていましたが、これは病気も併発してたということかも。カイガラムシは対策すると根絶することも出来ますが、どれだけ対策しても根絶できないこともあります。1ヶ月で改善しないなら処分しましょう
これはカイガラムシ? わからん
うーん。ダメだ
厳しい寒さも一段落。植物にとって目覚めの時期となる春はガーデ―ナ―にとっても一年でもっともウキウキする時期ですが、ウキ...

もともとの大きさよりも縮んじゃったコ

もともとは元気で立派なサイズだったのに、気付いたらそれより小さくなっていたケース。あれ? 植物って生長したら小さくなるんでしたっけ? ってそんな訳ありません。先の「ジュレたけど生長点が残っているケース」に似ていますが、今の環境が合わなくて小さくなってしまったんだから、そのまま続けていても元気に回復してくれる可能性はほぼありません。環境を変えて仕立て直せば元気になることもありますが、時間はかかります。それでもやる価値はあるでしょうか?

ずっと根付かないコ

最初はふつうに元気なカット苗。あるいはカキコをカットした増殖苗。それを増やすには乾燥させて土にさせておけば良いんですよね? カンタンカンタン♫ と思っていたのは半年前だったか? え、1年前?! そもそも発根しないのは環境や時期が合っていないからですが、長期間発根していないということは苗自体もそれなりに弱ってきています。環境を立て直せば発根する可能性はもちろんありますが、その可能性は日が経つにつれてどんどんゼロに向かっていきます。今から立て直しても本当に間に合うんでしょうか?

最初は健康なカット苗だったのに気付いたら下葉が全部枯れ、茎もしぼんで、トップはかろうじて生命を繋いでいる感。これを立て直しても発根する生命力が足りず、そのまま朽ちていく可能性が高いです。
全然発根せず。なんでかと思ったらきっと病気ですね。葉っぱが変色して表面がイビツに白くザラザラしています。ピクタはそういうもんだと言われるとそうなのかもしれませんが。
一時発根したけど生長がストップ。気付いたら用土にカビなのか地衣類なのかが張り付いているので環境が悪かったんでしょうね。回復しないだろうし蔓延が怖いのでゴメンけど破棄。

斑が消えたコ

わかります。清水の舞台から飛び降りるつもりで買った、高かった斑入り品種。ふつうに元気に生長していたはずなのに、ある日斑がない葉っぱが出てきたことに気づきます。たまたまかな? と思ってたのに、次も、その次も。気付いたら斑がないふつうの品種に様変わり。いやいやいやいや、た、たまたまですよね? これまたそのうち気まぐれに斑入りの葉っぱが出てくるやつですよね?

わかります。確かに出てくる可能性はあります。ふつうの品種からいきなり斑入りが出てくるよりは高い可能性は期待できます。でも……、待つだけ無駄なのかもしれません。

クッソ高かったマードレデルスール錦の斑が消えるという大事件。いやまた斑入りの脇芽が出てきますよね? いつかきっと
残念ながらその「いつか」は永遠に来ないかもしれません。少なくともふつうのマードレデルスールから斑が出てくるのと同じくらいの時間待てば出会えるとは思います。
こちらは逆にほとんど「斑だけ」になってしまったコ。これはまだ全斑じゃないので生長するチカラはありますが、通常の株と違ってどれだけ時間がかかることか。その真っ白な株に、かかる時間の価値はあるのでしょうか。

樹形や草姿が悪いコ・カタチが崩れた寄せ植え

さあ悩ましくなってきました。だって、株自体は健康なんです。懸命に生きてます。そもそも「カタチが悪い」って何よ。それはニンゲンが勝手に決めた価値、どころか単なる思い込みの勘違いであって、植物はそんなのお構いなしに自分が生長しやすいように自由に生長しているだけです。無理させているのはニンゲン。悪いのはニンゲン。植物は悪くない。

なので「仕立て直し」っことにしましょう。仕立て直しで小さくして、いや小さくしすぎて、結局枯れちゃった。ゴメンナサイ。

って、そんな姑息なことをする手間と時間を取り戻すのが今回の記事の目的です。真正面から植物に土下座して、もう二度と崩れさせないか、生長したら好みのカタチじゃなくなる可能性のある品種を買わないようにしてください。

爆発してハゲ山になった寄せ植え。そもそも寄せ植えだったのかは謎。多くの寄せ植えのたどる末路はココです。覚えておいてください。
ねぇロボタ。ホームセンターに行って「だるま秀麗」があったら買ってきてほしいんだけど。 はいはい。まかしとき。 ……… ただ...

大きくなりすぎたコ

「カタチが崩れた」に近いと言えば近いんですが、こちらは見る人によっては「立派な株」です。ただ場所を取るし、扱いに困るだけ。本来ならそうなる前に仕立て直すか、小さめの鉢から植え替えせずに締めて育てるべきですが、時間がないから手遅れになっちゃう。

いちばんの困りごとは、要らなくなっても誰も引き取ってくれないということです。そもそも大型株は需要がない(イベントのオークションで大株が出てくるとびっくりするくらい値が吊り上がらない。誰も欲しがってない)。メルカリだったら売れるって? どうやって送るの? メルカリの「梱包発送おまかせ便」で持っていってくれるのでしょうか? 近所にサボテンの専門店がある場合、そこが引き取ってくれる可能性もあります。いっそ庭に植えてしまって、子や孫に託すとお考えの方もいるかも知れません(笑)。

そうじゃないなら。小さいカキコを1つ取って、親は『解体キングダム』。解体して先っぽだけ残して仕立て直すという手もあるかもしれません。おわかりいただけるとは思いますが、サイズが大きくて場所取ってるので、場所が空く効果はむちゃくちゃ大きいことを書き添えておきます。

我が家のデカアガベブラザーズ。これはこれで完全にシンボルツリーなので処分なんてとんでもないですが。万が一要らなくなってもどうしようもないまさに「呪いのアイテム」。
見事に3分頭したディッキア。分頭が始まってから1年以上、今もそうですが「放置」しかできません。こうなるともう手の施しようがない。

メルカリしても売れないコ

この記事でさんざん「捨てろ」と言っていますが、健康的な株はゴミ箱に投げ捨てる前に、できればメルカリなどで引き取ってもらうようにすべきです。ただそうなると困るのが、メルカリでも余ってて値がまったくつかないコたち。袋いっぱいのカット苗でも数百円(いやそもそも袋いっぱいに多肉植物が欲しい人はレア)。増やすのが楽しいのはわかりますが、増やしても引き取り手のないコたちはシンプルに自分の時間と場所を奪う一方。抗うには捨てる以外に手段がありません。

ただし全部はダメです。1つ2つは残してください。理由は次のパタグラフで。これはイメージとしては、保有する鉢すべてを「1つの大きな株」と捉えて、余分な枝葉を剪定する「切り戻し」と同じだと思います。切り戻しで切った枝を捨てるのを見て「命を軽視してる」と批判する人はいません。

そのまま見本写真にできるクオリティのコですが、「どこにでもあるエスター」というか「一般的にイメージするエスターより映えないエスター」なので値がつきません(ちょっと病気っぽさもありリリースできません)。1つ2つならいいんですが、これが20本近くあったんです。それは地獄と呼ぶに十分な光景です。
雷神。良い株なんですけど、よく増える割に(いやよく増えるからか)二束三文。もう増えないでください。
英冠玉。イイコなんですけど、管理が下手でカタチも悪いし、水吸ってて重いから送るのも高いし。我が家のスミのほうでひっそり暮らしていてるご隠居様。

むやみに増やすのは程々にしたほうが良さそうです。個人的には葉挿しよりも胴切りをオススメしています。

多肉植物の増やし方と言うと、もっともメジャーな「葉挿し」や、大量に増やせる「実生」などがありますが個人的に僕がもっと...

どうしても好きになれないコ・飽きちゃったコ

ダメです。捨てないでください。

いきなりスミマセン。今まで散々「捨てろ」「捨てろ」と連呼してきたのに唐突な手のひら返し。

だってそれって、犬や猫ほかいろんなペットを捨てる身勝手な人と同じ理由じゃないですか? そんな身勝手飼い主のような理由で「命」を捨てるような人はPUKUBOOKの読者にはいませんよね? 今の環境で健康も害さず元気に暮らしているんだから、そのまま静かに過ごさせてやってください。多肉棚の一等地じゃなくても構いません。普段目につかないところでも全然OK。大きくならないよう小さな鉢に植えて。私達の時間や場所を割く必要はないんです。それでも彼らはきっと懸命に生きていってくれるから。

【場外乱闘編】使っていない資材

知らないうちに溜まって場所を圧迫している大量の資材

植物ではありませんが、全く同じ理由で、使っていない園芸資材も思い切って捨てましょう。あなたの家にもありませんか? 私には見えてますよ? ありますよね? 使う量の10倍ストックされている植木鉢、そのうち洗って使おうと思っているだけのプラ鉢、いつのまにか増えているピンセット、効果が実感できなかった肥料、使い方がめんどくさい薬剤、好みが変わった化粧石、「これはガラクタじゃなくてシャビーなガーデンを飾る立派なエクステリアなの!」と喧伝して買ったけど結局本当にただのガラクタになっているジャンクなエクステリアグッズ、憧れで買ってみたけどDAISOと使い勝手が変わらない高級園芸ツール……。断捨離しましょう。あなたに必要なものはもっとずっと少ないハズ。

実生活で「断舎離」した話

ごちゃごちゃのクローゼットと、スッキリきれいなクローゼット。その違いは単に「クローゼットに対して所持品が多すぎるか、少ないか」だけです。「スッキリのほうは生活感ないしモデルルームでしか実現できないよね」とか「マメできれい好きじゃないとスッキリなんて維持できないよね」とか「スッキリでもこんなにものが少なかったら生活できないし」というのは完全に誤解で、ものを減らせば誰でもスッキリクローゼットは実現できるし、その物量で誰もが十分生活できます。

実は最近プライベートでふつうに引っ越しをしまして(更新が滞っていた原因の1つでもあります)、その際に思い切ってむちゃくちゃ断捨離をしたのでそこで得た経験談として自信を持ってお伝えできることがあります。それは「所持品は思っている以上にガッツリ減らすことができる」し、「ほんとに必要なものしか持たない状態になったとき、それ以前とはまったく比較にならないくらい、暮らしが楽になる」ということ。

例えば洋服とクローゼットでも、まずその日着る服を悩まない。持ってるものが一望できて全部頭に入る程度の数だから、コーディネートで失敗しないし余計なものを買うこともない。着ずに仕舞っているだけの服がないから後ろめたさがないし、趣味やスタイルの違う服を無理に合わせる必要もない。脱いだ後もクローゼットに余裕があるから(無理に押し込む労力がないから)仕舞うことが苦にならない。常にスッキリしているからゴチャ付いたところが目立つので、どこを整理すべきかすぐわかるし、すぐに直そうというモチベーションになる。

本当にストレスが無くなります。今まで、コーディネートに悩んだり、着ない服を維持管理したり、使いにくいクローゼットから出し入れしたりすることに、どれだけ時間と労力を取られていたのか、減らして初めて気づくことが出来ました。

ちなみに、これは「ちょっとだけ使わないものを捨てる」程度では得られません。スカスカになるくらいやらないとダメ。捨てるときの後ろめたさも断行に必要な勇気も半端じゃありません。でも本当に得られるものは大きい。やらないと実感できない。

まとめ

この断捨離とミニマリストの話って、「多肉棚」にもそのままそっくり当てはまりますよね。今回の記事はそのままの勢いでうちの多肉棚を整理整頓……じゃない「鬼の断捨離」をして「ミニマリスト多肉棚」に到達してストレスフリーな多肉ライフを取り戻した実録をそのまま文章にさせていただきました。

もう二度と、呪われないように。過去に戻らないために。

なにかのお役に立てましたら幸いです。

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