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PUKUBOOK Succulent picture book

2025.5.16 品種解説がどんどん拡充中! 進化したAIの情報収集力と人力編集で磨き上げた最新アップデートはこちら

PUKUBOOKが誕生して2025年でなんと9年になります。な、なんだって? 我ながらそんなにやっているとは驚きでしかありません。そのPUKUBOOKは5年目に大幅リニューアルをして以来、見た目も中身も大きく変わってない……ように見えますが、実はここ最近、見えないところで大きく変わっているのが「品種解説」。PUKUBOOKのもっとも大事な主力コンテンツ。

一番の要因はここ最近のAIの進化です。ちょっと前までは「AIが多肉植物の質問に答えてくれた!」というだけで感動していたけど実用的にはまだまだ……と思っていたのに、2025年に入ってさらに大幅進化。充実して読みやすい品種解説を一瞬で書き上げてくれるから私は完全にお払い箱……。

……になったらいいなーと思いますが、そこはまだまだ文才不足。だからまとめるのは僕の仕事ですが、その元になる「情報集め」が圧倒的。僕も調査能力にはそこそこ自信があったんですけど、もうお手上げ。今までの100倍の情報が一瞬で集まります。

まとめる元情報はAIのおかげで圧倒的に増え、もちろん裏取りもしているからそれに比例して再調査も増え、だから1つの記事にかかる時間は減るどころか増えているんですが、その分、掲載される情報の量と密度はぐっと向上しました。

今回はそんな「最近更新された充実の品種解説」をまとめて紹介する回。つまり僕のための成果記録回です。こんなことやってます、と言いたい回。AIと人間の協働の記録でもあります。お付き合いいただければ幸いです。

ドロサンテマム シルバーシルクワーム

ドロサンテマム シルバーシルクワーム
またしても偏屈なコレクター気質を発揮して、ひとクセあるコをゲットしてきてしまいました。ドロサンテマムのカタログに、なぜか場違いなビジュアルで掲載されていた「シルバーシルクワーム=銀色の蚕子」。新品種? これ絶対ドロサンテマムじゃないでしょ? とツッコミを入れつつ、むしろその謎めいた佇まいに惹かれて、迷う間もなくポチッと。

まずはジャブ。この文章はほとんど自分で書いた後にAIにリライトしてもらったもの。原文「コレクション癖」→「コレクター気質」、原文「新品種? どう見てもドロサンテマムに見えないけど? と思ったらすぐお取り寄せ。」→「新品種……? 見た瞬間、これは絶対ドロサンテマムじゃないでしょ? とツッコミを入れつつ、むしろその謎めいた佇まいに惹かれて、迷う間もなくポチッと。」などなど、癖のある表現や貧弱な語彙を、こちらの意図を汲み取って加筆訂正してくれるAIのチカラに助けられています。

エケベリア バタフライ錦

エケベリア バタフライ錦
アガボイデス系のシャープなシルエットを受け継ぎつつ、全体を包み込むようなやわらかなツヤと、澄んだ白さをまとう覆輪斑が印象的な多肉植物。葉の縁にくっきりと入る白斑はまるで陽射しに透けた羽のようで、中心にかけてはうっすらとグリーンのストライプが流れ込み、見た目にもとても爽やか。

特徴・品種説明をまとめて。情緒的情報を加筆して欲しい。ツヤ感がありアガボイデス系。白くコントラストの強い覆輪斑とほんのりストライプで爽やか。

このコは、アガボイデス系のシャープなシルエットを受け継ぎつつ、全体を包み込むようなやわらかなツヤと、澄んだ白さをまとう覆輪斑が印象的な多肉植物。葉の縁にくっきりと入る白斑はまるで陽射しに透けた羽のようで、中心にかけてはうっすらとグリーンのストライプが流れ込み、見た目にもとても爽やか。

こちらは僕の主観的感想をただ投げつけて、それを文章にまとめてもらう作業。比較的初期のAIの使い方です。ただ初期と最近では書き上げる文章の「僕らしさ」が段違い。PUKUBOOKが大事にしているカジュアルでリズム感のある文体を、ほぼそのまま修正不要なレベルで再現してくれます。

ハオルチア 皇妃和之宮

ハオルチア 皇妃和之宮
どっしりとした太い三角葉っぱ。その葉の窓には厚みのある白い模様が繊細に描かれ、まるで絹の刺繍が施された豪奢な衣装のよう。全体のカラーは赤茶けていることが多いが、健康的な環境では深いグリーンへと変化。その色味はまるで焼き物のような渋さと温もりを感じさせる。侘び寂びハオルチア。

このハオルチアのビジュアルを表現して。ポイントは、太い三角葉っぱ、窓に厚く白い模様が描かれている、……、皇妃和之宮という高貴な名前なのでその気品を表現して。

このハオルチア「皇妃和之宮」は、まさに名にふさわしい気品をまとった逸品。どっしりとした太い三角葉は、まるで精巧に彫り上げられた王冠のように威厳を放つ。……焼き物のような渋みを増す。……まるで宮殿の庭にたたずむ静謐な森のような表情を見せる

高貴な名前の気品を表現するのに3種類の比喩を持ち出していてイメージが定まらないなぁ、と。インスピレーションはもらったのでそこから「厚い白窓はシルクの着物」で「色の渋さは焼き物」とターゲットを絞ることに。でもどうしても「焼き物」を表現する語彙が自分の中から出てこなかったので……

「どっしりとした太い三角葉っぱ。その葉の窓には厚みのある白い模様が繊細に描かれ、まるで絹の刺繍が施された豪奢な衣装のよう。全体のカラーは赤茶けていることが多く、健康的な環境では深いグリーンへと変化。」とまとめたが、このカラーを「焼き物のような渋さ」とつなげたい

……。全体のカラーは赤茶けていることが多く、まるで焼き物のような渋さと温もりを感じさせる。健康的な環境では深いグリーンへと変化し、まるで釉薬のかかった陶器が光の加減で色合いを変えるように、表情豊かな美しさを見せる。

誰にもそんな話はしていないのに、釉薬が溶け合うようなニュアンスをぴたりとすくい取ってくれたその表現に、「それそれ!」と、思わず胸の中で拍手を送りたくなるような小さな感動(採用してないけど)。ちなみに最後の「侘び寂びハオルチア」は僕が付け足しました。

レノフィルム 京鹿の子

レノフィルム 京鹿の子
そんな強い個性を支えているのが、「レノフィルム」という聞き慣れない属名。エケベリアのようにロゼットを組まず、葉を左右に交互に展開していく(いわゆる対生)という点が大きな違いです。分類的にはクラッスラに近く、どちらも対生葉ですが、クラッスラが南アフリカ育ちなのに対して、レノフィルムはメキシコやアメリカ南西部の乾いた土地がふるさと。いわば「アメリカ生まれのクラッスラ系」といったところでしょうか。

よく知られていない「レノフィルム」について掘り下げます。

レノフィルムという聞き慣れない属の代表種なのでレノフィルムのエケベリアとの違いも調べて書き加えて。

レノフィルム属自体はクラッスラとエケベリアのちょうど間くらいの雰囲気で、わりと乾燥にも強く、明るい光でしっかり色づくタイプ。エケベリアに比べて茎を伸ばして立ち上がることが多く、葉の質感もやや厚みがあってパリッとした感じ。「レノフィルム・京鹿の子」は、たしかにエケベリアにも見えるけど、どこかワイルドで奔放な雰囲気があります。とくに成長が進むと、コンパクトなロゼットにとどまらず、にょろっと伸びて枝分かれしていくのが最大の違いかもしれません。

結構な文量で書いてくれましたが「クラッスラとエケベリアのちょうど間くらいの雰囲気」以上に具体的なことが書いてなくてふんわりしています。薄い。

ちなみに「わりと」とか「パリッとした感じ」とか「にょろっと」という表現は僕の文体のクセを再現しようとしている証(没にしたけど)。

レノフィルムはエケベリアやクラッスラと何が違う?

■ 葉っぱのつき方と生え方
レノフィルム:基本は茎立ちタイプで、ロゼットにならずに茎を伸ばして葉を交互につける(対生)。どんどん枝分かれして群生していくコが多いです。
エケベリア:ほぼロゼット一択。茎は短くて葉が放射状に密集。伸びると徒長とみなされがち。
クラッスラ:直立や這うタイプも多く、葉の形もバリエ豊富。葉が対になって交互についていくけれど、形は正方形や三角などかなり自由。
■ 葉の質感と模様
レノフィルム:パリッとした厚みのある葉が多く、表面に独特の模様(斑点やストライプ)が出ることが多いです。例:「京鹿の子」。
エケベリア:しっとりした粉質(ブルーム)をまとう葉が多く、模様はほぼ出ない。色で魅せる。
クラッスラ:ツルツル〜ザラザラまで質感いろいろ。模様よりも葉の形や重なりで魅せるタイプが多いです。
■ 花のつき方・形
レノフィルム:小さい黄色い花が密にまとまって咲き、花茎が長く伸びる。ちょっと地味め。
エケベリア:細い花茎の先に、ベル型や星型の華やかな花がパラパラと咲く。
クラッスラ:密集して白〜黄色の小花が爆発的に咲くことが多い(例:「火祭り」「ゴーラム」など)。
■ 系統と分布
レノフィルム:メキシコ〜アメリカ南西部が出身。分類的にはクラッスラ属と近縁だけど別系統とされていて、以前はクラッスラに統合されていた時期もありました。
エケベリア:メキシコを中心とした中米の山岳地帯出身。こちらは完全に独立したエケベリア属。
クラッスラ:主に南アフリカ系が多く、乾燥地の王道。

これがWEB検索AIの実力。あえてほぼ全文掲載しましたが、すごい情報量でしょ? もちろん全部書いてたらレノフィルムのページが爆発するので必要なところだけ拾います。拾いすぎると裏取りが大変だし……。

エケベリアとレノフィルムの違いについて言及しているWEBを探して

ちなみにその裏取りも取っ掛かりが見えないときは丸投げすることがあります。ここでは LLIFLE 、Wikipedia、学術論文をはじめとした、10種もの文献を紹介してくれました。

guttatumの意味は?

「guttatum(グッタトゥム)」は、ラテン語で「しずく模様のある」「斑点のある」という意味です。語源は「gutta(グッタ)」=しずく・滴に由来しています。

名前の意味も一発です。ラテン語は活用形が多いので「guttatum」とフルネームで検索しても出ない事が多いんですよね。元の単語を教えてくれれば「gutta latin」でググればいいので裏取りもカンタンです。

lenoの意味は?

「leno」はラテン語では「女衒(ぜげん)、仲介者」という意味があり、
ギリシャ語では「なめらか」「やわらかい(λεῖος)」に近い音を持つ語も存在……。英語やフランス語では、「leno weave(レノ織り)」という織物用語があり……。おそらく、「Leno-」には明確な辞書的意味はなく、響きのやわらかさを考えて造語的に用いた接頭語……。

ただ、Lenophyllumは錯綜しました。何いってんだコイツ?です。仕方ないのでふつうに「lenophyllum meaning」などでググって当たりをつけてからリトライします。

Ancient Greek words ληνός(lenos), が由来だそうだけど意味は?

ληνός(lenós) は、古代ギリシャ語で「ぶどう踏み用の桶・槽(ふね)/wine trough, wine vat(英訳)」。

結局この「トラフ trough」が一般的に正解とされていることと結びついて裏取りも完了。AIはむちゃくちゃ説得力のあるウソをつくことが今もまだあるので、答えをそのまま鵜呑みにしちゃダメという事例です。

ヘテロモルファ

チランジア ヘテロモルファ
チランジア ヘテロモルファ ラウヒー
「ヘテロモルファ ラウヒー T. heteromorpha var.rauhii」という変種があり、「T. heteromorpha var.heteromorpha」も基本種と違う特徴があるので流通的には3種類あるっぽいです。

Tillandsia heteromorpha と Tillandsia heteromorpha var. rauhii 、Tillandsia heteromorpha var. heteromorpha の3ページ分の品種説明を書いて。以下のテキストを参考に。WEB検索はしない。……。

Tillandsia heteromorpha
どこか「ふんわりと空気をまとう」ようなこのコは、南米ペルー出身。標高850m付近の岩場にお住まいで、ゆっくり、じっくりと育つのがチャームポイントです……。

Tillandsia heteromorpha var. rauhii
標高500〜1200mのカハマルカ地方出身のコで、基本種に比べて葉がぎゅっと密にまとまり、トリコームもふわっと厚め。葉はより硬質で、ブラシのようにこんもりとしたフォルムに。

Tillandsia heteromorpha var. heteromorpha
標高2300〜3000mの高山帯で、ほぼ垂直の岩壁にしがみつくように生きる、ミニマムでたくましいコ。葉はとても短く硬く、銀色に輝きながら密に重なり、直径3cmにも満たない小さなロゼットを作ります。

もともとはふつうに検索して見つけたいくつかの情報を与えて解説記事をまとめてもらったんですが、その中に気になる記述が。Tillandsia heteromorpha と Tillandsia heteromorpha var. heteromorpha って基本的に同じものじゃないの? なんでこんなに特徴が違う?

Tillandsia heteromorpha と Tillandsia heteromorpha var. heteromorpha は同じものでは? 同じでないなら別の学名が与えられるのでは?

まず結論からいうと、あなたのおっしゃるとおり、heteromorpha var. heteromorpha は、基本種 heteromorpha と同種であり、別の種ではありません。なぜそうなったか、細かく整理していきますね。……

ここでいきなり3ページ分くらいの長大な説明が繰り広げられます。

まとめると、正式には同種とされているが、採取地や環境差により、実際の草姿や成長特性には大きな違いが見られる。

ここからさらに、その情報源となった出典や、遺伝子解析論文の読み解きなどが繰り広げられますが、あまりに専門的すぎるので割愛させていただきます。ざっくりまとめておくと「最初の heteromorpha は100年前の論文で内容がふわっとしていて信憑性に欠ける。次の heteromorpha var. heteromorpha もしっかり確認せず heteromorpha と同種としちゃった感。なので別種として再研究すべき」みたいな感じ。

学術論文を拾ってきて理論武装して議論するのが、ヤマカンでしか答えないヒト世代前のAIとの大きな違いですね。まるで大学の研究室かのような議論が気軽にできるAI。おそるべしでしかありません。

アストロフィツム 大鳳玉

アストロフィツム 大鳳玉
アストロフィツム 瑞鳳玉
アストロフィツム スーパークラシスピナム
細長い刺を無数に長く伸ばして自らを覆い隠し、遠目には砂漠に転がる枯れ草にしか見えないビジュアルでカモフラージュしながら強い日差しと冷え込む夜から身を守る、そんな特殊防御魔法に秀でたサボテン。褐色の刺とボディの白い星柄のコントラストに定評があり、蛍光イエローの大輪の花も魅力の1つ。

さあ集大成。ここまでで試行錯誤したAIを多角的にいろいろ活用していきます。

大鳳玉の品種説明を。いつ頃から日本にあるのかも。瑞鳳玉との違いを特に強調したい

風を切るほど肉厚で扁平な水牛スパインが八稜のボディを鎧うこのコ、じつは園芸家が日本で選抜したガーデンオリジンの変種。刺は「瑞鳳玉」の糸のように細く撓るヤギ角と違い、短く太く湾曲せず堂々、しかも肌は白点がほぼ消えたヌーダム系で大きな綿毛のアレオーレがアクセントになる。昭和30年代には趣味家カタログに掲載があったとも聞くので、日本デビューはたぶんその頃。メキシコ原産種の頑丈さはそのままに、刺の迫力だけを極限まで磨いたバッファロー仕様――それが大鳳玉。

なかなかいい感じにまとめてくれていますが、いくつかの品種の情報がごっちゃになっています。こういうのに気付けないとAIを使いこなせません。しかたない。まずは基本種から整理し直しますか。

Astrophytum capricorne の一般的生態は?

乾いた石灰岩ゴロゴロの丘陵で、年180 mmほどしか雨が降らないチワワ砂漠の真ん中――瑞鳳玉一族は、そんな過酷なメキシコ北東部(コアウイラ州〜ヌエボレオン州標高300-1 400 mくらい)にしずかに潜んでいます。草に化けるように細長い刺を四方に散らし、灼けるような昼と冷えこむ夜をしのぐ“草むらカモフラージュ”が生態のキモです。

なるほど、カモフラージュサボテンね。いい着眼点。

Astrophytum capricorne は自家受粉するか? 実生以外の増やし方はあるかを調べて

花はレモンイエローに赤い喉。蜜も花粉も豊富でミツバチに大人気ですが、同じ株同士ではほぼタネが付かない“自家不和合性”と思われます。別株(同種でも他のアストロフィツムでも)から花粉をもらえば結実率アップ。オープンポリネーションだと雑交の可能性大なのも、このコの自由奔放なところ。増やし方は、実生が王道。基本的に子吹きはしませんが、稀にストレスや胴切りで子株を吹くプロリフェラタイプの脇芽を発根させる例もあるが上級者向け。

瑞鳳玉や大鳳玉のような「往年の名品」はいろんな人のいろんな思い入れがあるため、自分の中の知識や思い込みが、世間一般とズレてないか を重視して確認しています。そうそう、アストロフィツムなので自家受粉しないから、実生ばっかりで個体差が大きいんですよね、と。

瑞鳳玉と大鳳玉に対する愛好家の好意的なコメントを集めて

■瑞鳳玉
「トゲが素晴らしい褐色系で、肌の白点とのバランスが取れていてカッチょいい」とブログで絶賛。
サンディエゴ在住のブロガーは「ほぼ理想のサボテン。猛暑でも大輪の花を咲かせ、しかも手がかからない」と推しポイントを列挙。
同じ筆者は「黄色い花が大好きで、Astrophytum の中でも一番のお気に入り」とも告白。
Amazon レビューでは「根張りが良く健康そのもの。到着後わずか2か月で開花」と高評価が続出。
Reddit でも「ナールい(いかつい)トゲが最高」と海外勢が盛り上がり。

■大鳳玉
「新トゲが見事にきれい」と、育て主が写真付きで歓喜。
専門ショップは「山羊の角のような勇壮な刺がかっこいいサボテン」と紹介。
別ショップでは「渋くて芸術的。柱状に伸びた大株は本当にかっこいい」とイチオシ。
GreenSnapの投稿者も「黄刺・黒刺などタイプが多彩で、花は淡い黄色。タイプ違いで集めたくなる」とコメント。
Reddit では「花芽がびっしりでワクワクする。赤喉タイプを狙って交配したい」というコレクターの熱い声も。

次いで「主観的情報」も自分の感覚と世間にズレがないかを確認。そうそうこのトゲとボディのデザインがいいんですよね!と。

ちなみに「(山羊の角のような)勇壮な刺がかっこいいサボテン」という表現は個性的主観的で優良な比喩表現ですが一字一句完全一致するサイトがいくつも見つかるんですよね。誰かの言葉をコピペしている感。一応そういうの著作権があるので気をつけましょうね、と。

capricorne の由来は?

ラテン語の capricorne は capra(ヤギ)+cornu(つの)から来ていて、直訳すると「ヤギのつの」。命名者が注目したのは、くるりと細長くカーブして草に紛れる瑞鳳玉の刺。

最初「カプリコーン」で「山羊座」という意味かと思ったけど、違うよ、2語から成り立ってるよ、と。しかも(このサボテンのトゲは細いので)ヤギの角といっても太さや力強さじゃなくて「くるりとカーブしている」ところが似てるからだよと。なるほど。

Astrophytum capricorne の園芸品種をできるだけ挙げて

var. crassispinum 『タイホウ(=バッファロー)』『タイホウギョク』 ごんぶとの水牛スパイン
『フクリュウ(複隆)』 リブが波打つ立体フォルム
『ハクズイホウギョク』 白点びっしり“雪化粧”
subs. senile cv.『クラウジー』 真っ白な柔刺+黄花(喉部無紅)
『フックス』『キガン』 太刺 or 鉤刺の個性派コンビ
『キホウギョク』黄肌×白点で淡い金色に見える
forma/prolifera 『プロリフェラ・ジコトミカ』 二股に分かれ群生しやすい

これは正確に抽出するというよりざっくり把握するための質問。なるほど、なんとなくどういう風に捉えられているのかがわかります。自分の中の感覚がよりクリアになる感じ。この中から信用に値する、または図鑑として取り上げるべき情報だけピックアップしてしっかり裏取りしていきます。特に「大鳳玉は太刺タイプ」と「大鳳=バッファロー」あたりが重要ですね。

Astrophytum 'Super Crassispinum'は大鳳玉の派生種?

いいえ、スーパークラシスピナムは大鳳玉を母体にした純粋な派生フォームではなく、園芸家が「スーパー兜× 大鳳玉」で作ったハイブリッドだとアナウンスされています。

ついでに近い品種についても調査を広げます。なるほどこれは知らんかった。スーパーなクラシスピナムだと思ってました。危ない危ない。

その他の「最近書いた品種説明」ダイジェスト

更新情報のような記録としてAIを活用したポイントだけ書いておきます。実際にそれぞれのページに飛んで品種解説を呼んでいただけると幸いです。

エケベリア スターライトジェニー 「スターライト」という名前を活かしてビジュアルを表現。
エケベリア スノーポーセリン 「外葉が赤く、中央が白くなるグラデーション」から膨らませて。
エケベリア チーズケーキ 「チーズケーキ」という名前に絡めて。ウキウキしたテンション高めの文体がお気に入り。
エケベリア サンストーン 写真を見せてざっくりとした主観ワードをいくつか伝えて。
エケベリア ストロベリークリスピー 写真を見せて「ストロベリー」という名前と絡めて、と。
エケベリア ラウレンシス 当初「ローレンス」として入手したので「ラウレンシス」と同種といえる証拠を探してもらいました。「ラウレンシスと同じかも」と気づいたのは僕の勘でしたが、こういうのひらめくと裏取り早いです。
アエオニウム リェンズオ ロータスシートなんて名前が直訳ぽ過ぎて怪しかったので意味と由来を掘り下げました。やっぱり直訳でした、と。「リェンズオ」なんて書いているのはうちだけで、それがホントに正しい行いなのかは謎。
チランジア アルバーティアナ 情報ソースを明確にしてリンクをはろう!と決意した例。
チランジア パレアセア 同様に。初稿では出典を示してくれなかったので後から出典を入れろと。
チランジア ラティフォリア チランジアに躍起になっていた頃です。
チランジア ハリシー 同様に。「殺された」にびっくりしてそれを拾うのがPUKUBOOKらしさというか。
アボニア パピラケア アボニアという属の生態とクリナリアとの違いを重点的に調査。とくにパピラケアは根塊のあるコが見当たらないので「クイナリアのように根塊を形成しない」ことを裏取り。「挿し木では根塊はできない」も裏取りしたかったけどAIも「その可能性はあります」としか。
デロスペルマ クラッスム 他のデロスペルマとの違いを強調して調べてもらいました。マニアックな品種でもAIは答えてくれてすごいなーと。
ハオルチオプシス ヴィスコーサ これは逆になんの追加情報も与えずただ「品種説明を書いて」とだけ指示して、ほぼそのまま採用した例。似た品種については加筆したけど。
ハオルチア 樹氷 「ボルシー由来のモケモケとキラキラと散乱する光」から広げて、と。

まとめ

こうしてみると「少ないな……」というのが正直なところです。1本書くのに時間と労力が今までの日じゃないくらいかかっているので、頑張って書いている実感の割には少ないってことなんでしょうね。ただホントに、その内容は圧倒的だと思うので、あとはこれをもっと効率化しつつも、1本1本地道に積み重ねていくしか無いかなと思います。

最近、某プロショップの方に「最近PUKUBOOKって充実してきたね」と褒められまして、ぽっと出たお世辞かとは思いますが、額に入れて飾っておきたいくらい嬉しかったことをこっそり書き残しておきます。

余談

全然関係ないけど、PUKUBOOKを開発した初期のこと(何を考えてどうやって作ったか)をQiitaというサイトに書いたことがありましたが、同じ時期に同じQiitaに「月10万稼げるWEBサービス作ったった!」という記事が上がってて、「収益は上がっていません」と堂々と報告してるPUKUBOOKの記事と正反対で面白いなぁと。そのときに思ったのは、「月10万稼いでも、それっていつまで続くの? うちは何があっても10年続けますけど……」です。そのサイトはもう消えてなくなっちゃいましたが、うちはまもなく10年。「継続はチカラなり」という言葉を信じて続けていこうと思います。

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