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2022.4.15 エレガントなドレスで美しさを競うフリル系エケベリア

歩くたびにふわふわと弾むボリュームのあるロングスカートや大きくカールした巻き髪。たくさんのフリルで飾られたドレス……。なぜ人は、フリルやカールを「ゴージャス」で「エレガント」なものと捉えるのかは人類史の謎の1つですが、そんなフリルやカールを生まれながらに与えられたゴージャス&エレガントなエケベリアたちをピックアップしました。

そもそもフリルエケベリアとは?

見たまんま、葉っぱの先がくねくねとカールしたエケベリアたちのこと。実は意外と葉っぱがカールしたエケベリアの原種は少なく、その少ない原種をベースに品種改良を行っているのでフリル系エケベリアはなんとなくいくつかの系統に分けられます。

どうしてカールしてるの?

学術的に明確な理由は調べきれませんが(レタスの研究とかを調査したら出てくるかも……笑)、カールしている分、日差しを受ける面の大きさ(影の大きさ)にくらべて葉っぱの表面積が大きいので葉っぱの部分部分がダイレクトに受ける日差しを和らげる効果があるのと、葉っぱが内向きにカールすることから受けた雨を株の中心により集めやすくする役割があると思われます。

大きなカールの大型種

フリルエケベリアといえばまず思い浮かべる大御所「高砂の翁」様。このタイプのフリルエケベリアは巨大化するのが大きな特徴で、最大30cm~50cmになるようなコもいます。その理由は「ギガンテア」という大型の原種の血を受け継いでいるから。不思議なのはギガンテアはさほど強くカールしているコではないことで、この強いカールはどこから来たのか? もう1種「オブツシフォリア」というカールの強い原種もあって「イブニングドレス」はこの系統かなと思われます。

大瑞蝶(ギガンテア)
オブツシフォリア
高砂の翁 フリル系エケベリアの大御所。ブルーからピンクの淡いグラデーションの美しさはまだまだご顕在。
ジャイアントブルー その高砂の翁のそっくりさん。同じだとは言い切れません。
ブルーカール そっくりさん。ジャイアントブルーのルーツかも、と思っています。
ドロシーライト こちらもそっくりさん。強いて言えば色が強めに出ている感。
マリーンサンセット 色は似ているけどフリルは緩やかになった感じ
イブニングドレス ギガンテアよりもオブツシフォリアに似ているフリル系
パーティドレス
アーリーライト カールは控えめな赤みの強い丸葉っぱ
ディックライト カールがかなり強く細かく出て生長するとコブのようになるコ

「~ライト」という名前が並んでいますが、これらはエケベリア育種家の大御所 Dick Wright 氏とそのご家族の名前。その大御所が満を持して自身や家族の名前を与えたということから、いかにフリル系エケベリアを特別なものと考えていたかわかりますよね。

クリムゾンタイド Altman Plantsの新品種。カールが強く色味もかなり濃く出るコ

全米No.1の巨大農園 Altman Plants からもフリル系がいくつかリリースされています。まだ日本に入ってきていない品種もあるので今後の登場に期待しています。

細かなフリルの小型群生種

高砂の翁系とはぜんぜん顔が違う、細かく波打つ小型なコたちもよく目にします。こちらは由来ははっきりしていて、原種「シャビアナ」の血統。ただ、フリルが意外と受け継がれにくいようで、シャビアナのコはたくさんいますがその多くにフリルはありません。

シャビアナ ホームセンターでも見かける普及種。水切れとカイガラムシに弱く比較的マメなケアが必要
ネオンブレーカーズ そのシャビアナの血を色濃く受け継ぐハイブリッド
エケベリア ピンキー シャビアナの子で生長するとほんのりフリルが出ることがあるレアフリル
ブルーフリルズ 写真じゃわからいけど生長するとものすごく強くゴージャスなフリル株になるらしいコ。今後に期待

ゆるカール

はっきりと「フリル」や「カール」とは言い切れないけど、ほんのり葉っぱがうねっているタイプ。もともとフリル系を親に持つけどその特徴が薄れたものや、逆になぜか葉っぱがうねるようになったものなど由来はいろいろです。

サブリギダ カンテの姉妹とも言える大型で凛々しい原種。個体差があってフリルが強く出るコもたまに見かけます
シムランス あまりフリル系とは認識されていないけど、透明感のある葉っぱがゆるふわカールしたかわいい原種
グリーンスマイル サブリギダにフォルムが似ているゆるフリルエケベリア
エケベリア オータムフレイム 真っ赤に色づくスプーン葉っぱがほんのりカールしています
アトランティス ググってもほとんどカールしている写真が出てこないけどゆるくカールすることがあるハイブリッド
あずき もともとの名前は「ペインテッドフリルズ」で生長するとゆるくカールが出てくることがあります。シャビアナの子

.

カンテも強くうねっている個体に出会うこともあります。これは個体差があってカールしている個体はわりとレアな印象。

ニューフリル

古くからあるフリルタイプは高砂の翁とシャビアナですが、最近になってそれに属さない個性的なフリルも登場してきました。

クリスペイトビューティ リラシナから突然変異で生まれたフリルタイプ。ハイブリッドではないので、ラベンダーシルバーカラーの、今までのどのタイプとも似ていない独自系統
ツナミ Altman Plantsの新品種。七福神っぽいルックスの葉っぱが強く縦にカールしています
ルーブル フリルというよりギザギザエッジ。ルブロマルギナータの選抜種じゃないかと思っています

まとめ

僕の個人的な肌感覚なんですが、フリル系のエケベリアって正直あまり人気ありませんよね。いちばんの理由は「デカイ、幹立ち、広がって収まりが悪い」からコンパクトでかわいいコたちが重宝されるエケベリア界ではちょっと敬遠されている感。でも、個人的にはむっちゃ好き!なんですよ。この大きさ、インパクト、色柄の美しさ。一株置いておくだけで多肉ガーデンが華やかに……(っていう妄想。うちにはまだデカベリアさんがいないのです)。

今年はクリスペイトビューティという新顔さんも加わって、今まで虐げられてきたフリル系が逆襲……じゃなかった、評価が高まって一大ブーム到来の予感です。ここに紹介しきれなかったフリル系エケベリアはまだまだたくさんあります。今から要チェックですよ!

フリル系エケベリアをまとめて検索するにはキーワード検索がおすすめです。

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