「エリオクエストさんにケープバルブを教わりに行く」から続く高知編もいよいよ今回で最終回。と言っても今回は多肉植物色は控えめで、東京編のように訪れたボタニカルなスポットをダイジェストでお届けしていきます。
一言でいうと、牧野富太郎さんの追っかけツアーです。
写真に登場しているモデルさんは、midjourneyで生成された架空の人物です。
高知市街から車で国道を走ること40分。牧野富太郎さんの生まれ故郷である佐川町にある「牧野富太郎ふるさと館」からスタートです。こちらはまさに「生家」だった岸屋を改装した施設。中には関連した資料を展示している無料の施設です。なかはすごくキレイと思ったら、2023年2月にリニューアルしたばかりなんだそうです。
その岸屋のちょうど裏山にあたるところにあるのが金峰神社(きんぷじんじゃ)。幼少の牧野少年がバイカオウレンなどの植物と出会い、その後の一生を決定づけることになった聖地のように語られるスポットです。
ドラマ『らんまん』でもロケが行われているくらい、当時の雰囲気をそのままの鬱蒼とした林の中にぽつんと佇む本堂(ロケしたのは本堂じゃなくて参道だけのようですが)。最初はもう少し離れたところにあるイメージ(牧野公園くらいの距離感かな)だったんですが、裏山というか裏庭くらいに近いところなのが意外。毎日のように通っていたのではないでしょうか。
牧野少年が最初に通った学校。こちらも徒歩1分もかからない距離にあります。今は公民館的に利用されているようです。
一言でいうとお土産屋さんです。旧浜口家住宅は江戸時代から酒屋さんを営んでいたお宅だったようで、今も当時の雰囲気を残しています。
このあたりは当時から岸屋だけでなくいくつかの酒蔵さんがあって酒造りが盛んなところだったことが伺えます。その岸屋は牧野さんが手放して無くなっちゃったと思いきや、人手に渡って最終的に今も佐川町で酒造りを営む司牡丹さんが継承しているんですね。牧野さんにちなんだ日本酒「花と恋して」やジン「MAKINO」といった銘柄も扱っています。
佐川町に行ったら足を運んできたいのはこちら「牧野公園」。牧野さんが東京からソメイヨシノを送り、それを有志が植えたことから始まっている歴史あるスポットで、山の中腹にたくさんのサクラが植えられていてそれは見事に咲き誇って……くれるんでしょうね。新緑の季節だったこのときの主役はツツジで、見渡す限りの緑の山道をプチ登山感覚で楽しめるスポットでした。頂上からの見晴らしが最高!
高知に行ったら訪れてみたかったところといえば「見元園芸」さん。見元園芸さんは花や多肉植物の生産者さんで、ホームセンターに並ぶ多肉植物の中にも見元園芸さんオリジナルラベルの商品がよく並んでいてその名を見聞きしていました。
Tommyの庭は、その生産者「見元園芸」さんの事務所前に併設された直営のお花屋さんで、見元園芸さんの生産品種だけでなく多種多様な花や多肉植物を取り扱っています。
見元園芸さんの多肉植物といえば、ケーレス種子からの実生と思われる、産地別の品種名がしっかり明記された品種が多いのが特徴かな。あと、おみやげに買って帰った苗をカンカンの日照りに晒したらすぐ焼けたので(笑)育成環境がマイルドなのも特徴かもしれません。
#一般的ににエケベリアをカンカンの日照りに置くことは推奨されていません。ややマイルドな見元園芸さんくらいの環境がベストです。
最後に前回の牧野植物園特集で紹介しきれなかった、同園の花たちのお写真を掲載しておきます。ちょうどツツジが咲き誇る季節でした。
ハルジオンは展示品種ではなく自然に生えているいわゆる「雑草」。でも雑草を「雑草」とくくってはダメだ、ちゃんと名前があるんだというのは牧野さんの教えです。YOASOBIやBUMP OF CHICKENの楽曲名にもなっているし、白やほんのりピンクの可憐な花がかわいくて好きな野花の1つ。
起伏が激しく入り組んだ林道のような環境が多いので日陰を好む品種も多く見ることができます。こういう品種ってどうしてシックで控えめな印象のコが多いんでしょう。もしかしたら逆で、日陰に咲く花の色を人間がシックだと認識するようになったのかもしれません。
実は個人的になにかとご縁のある高知(本籍地が高知)。と言っても訪れたのは今回で3回目くらい。今回の旅で「車でたった4時間程度だ全然行ける」と自信を得ることができましたし、なによりエリオクエストさんがとても気さくにウェルカムしていただけましたので、また違う季節にちょくちょく訪れてみたいと思いました。そうですね……。冬型のケープバルブが元気になる11月、バイカオウレンが咲く2月、牧野公園の桜が満開になる4月、よさこいで盛り上がる8月。行くべき理由に事欠きませんね♫