春だ!おでかけ日和だ!どっか行きたい!と急に思いたってでかけたぶらり東京一人旅の2つ目の目的地。今回は文京区の閑静な住宅街の中にある「小石川植物園」を紹介します。
ちなみに近くに「小石川後楽園」という別の施設もあるので混同してはいけません。後楽園は東京都が管理する、本格的な日本庭園。また今度行ってみたいと思います。
小石川植物園を一言で表すとしたら「閑静な植物園」かもしれません。
植物園とは言ってもその実態は東京大学の附属施設、つまり「研究所」です。さらにその歴史も古く、300年以上前の江戸時代に薬草を管理研究するために造成された「小石川御薬園」がその前身。日本最古の植物園であり、今も植物園というより大学の附属施設としての雰囲気が色濃く、その空気感は、植物園や公園というよりは「学校」。園内を歩いていると学生だったころをなんとなく思い出します。
(もちろんワタクシは東大なんていう立派な学校に通っていたわけではありません。けど、学校って、高校でさえ、なんか独特の空気感ってありますよね。そんな雰囲気です)
もちろん一般的な植物園でもそのほとんどでは研究しています。けど、やはりここは研究が主目的の「研究施設」だけあって、植物の見せ方にも独特の雰囲気があります。なんていうか「着飾っていない」感。
『らんまん』のポスターもあって牧野富太郎さん全力推しでした。小石川植物園は牧野富太郎さんもお世話になっていたゆかりの施設。そんな牧野さんについてはこちらの記事に詳しく書いています。合わせてご覧ください。
例のごとく、今回の目的は温室なので、温室に直行します。全体の2割も歩いていない身分で「小石川植物園を紹介」とか偉そうなこと言って本当にすみません。
この明るくキレイな温室! 他の植物園とはっきりと違うところがあるんですがわかりますか? それはすべての植物が鉢植えにされていることです。研究目的で栽培されているので、動かしたり入れ替えたりといったことをするために地植えにはしないみたいです(とはいえ、冷温室には地植えスペースがあります)。
大きくて目立つからっていうのもあるけど、温室に入ってすぐ目につくのがユーフォルビアたち。
こちらの温室では蘭を多く管理されていて、そのくくりでホヤを多く見かけました。これだけ多くのホヤが一堂に会しているのを見たのは初めてかもしれません。一部はちょうど開花していてその珍しい花を鑑賞できました。
もともと「日本の植物を研究する」ことを大きな目的にされているので、日本原産のセダムたちも多く展示されています。そのバリエーションの豊富さや、斑入りじゃないタイトゴメの原種なんていうのも園芸界では見かけないので貴重な鑑賞体験でした。
数は多くありませんが、ハオルチアやカランコエといった南アフリカ系。数は多いけど品種ラベルが見つからなくて(いやアカデミックな温室なんだからラベルが無いということはないはず)写真を撮れてないチランジア。
冷温室には高山植物のヒダカミセバヤやロディオラのイワベンケイも展示されていました。
最寄り駅は東京メトロ丸ノ内線の「茗荷谷駅」ですが、結構歩くので都営バス「秋26」線で「白河2丁目」を目指すのが良さそうです(特に茗荷谷駅への帰りはきっつい坂道なので……)。秋葉原や神田、葛西駅にて発着しているようです。
前回の「新宿御苑」は都会の中にあるし規模もデカいし「観せる」ために整備していることもあってゴージャスな雰囲気ですが、こちらは対象的に、どの植物も庭園も強く主張せずただ静かにそこにあり、地元のみなさんに静かに、でも根強く愛されている感があります。
ちなみに特集として連続しているだけでなく、本当に前回「新宿御苑」のすぐ後に行きました。しかもランチ前に2件。両園間のアクセスはタイミングが合えば30分くらいの距離ですしぜんぜん行けます。よろしければぜひ「はしご植物園」をご企画ください!