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PUKUBOOK Succulent picture book

2023.10.13 木彫家 美藤圭 ――ほっこりかわいい木彫たちに出会う「アートギャラリー訪問」への招待状

先週のコラムで「アートな植木鉢」 を特集させていただきましたが、実は我が家には正真正銘の「アート」も少しだけ置いてあります。アートを買うなんて豪邸に住むセレブだけの世界かと思っていましたが、踏み入れてみたら意外とそうでもなかったといった個人的感想を交えつつ、アートの楽しみ方の1側面をご紹介できればと思います。

多肉植物を好きで集める多くの人が行き着くあの思考や、PUKUBOOKの目指したい姿もちょっとだけ関連しています。お付き合いいただけると幸いです。

木彫作家 美藤 圭 とは?

美藤圭さんの木彫作品「people of peace 平和の民」

パーカーやTシャツ、スカートにワンピース。スマホ片手にぼんやりと考え事……。そんなイマドキな人達の思考がそのままカタチになったかのように、アタマが幾何学的オブジェ。「いったいどんな事を考えたらこんなカタチになるんだろう」と空想を掻き立ててくれるこの不思議な彫刻たちが美藤圭さんの代表作「people of peace 平和の民」シリーズ。むちゃくちゃかわいくないですか?

きいろさん(って勝手に呼んでるだけ)
ピンクさんとうちの多肉植物たち
きいろさんとサンセベリア

1986年、兵庫県豊岡市生まれ。今はそのふるさと豊岡に工房を構えて作品を制作する木彫家。10代で家具職人を目指して岐阜県の山奥にある専門学校で木工技術とデザインを学び、設計事務所や家具メーカー勤務を経て2015年に独立。最近になって「作品制作だけでなんとか食えるようになってきたので今はそれに集中したい」と。海外のアート展に参加することもあり今年1月には台湾、そして近日……。と期待と伸びしろしか無いアーティストです。

数は多くないけど壁掛けできるパネル作品や絵画作品もあります

ちょっと前の記事ですが「ディノス」でむちゃくちゃ詳しくインタビューして記事にしてくれているので詳細はそちらに譲ります。

『彫刻とは身を削ることだ』なんていう人もいますけど、身を削ったら死んじゃうよ、と思うし......(笑)。きっと、人として健やかでいたいアーティストなんだと思います

ちなみに「美藤 圭」は「びとう けい」と読みますが、なんと本名です。かっこよすぎ。もうこの名前だけでアーティストの才能ありますよね(笑)

10月14日から浅草で個展スタート

次回 10月14日からGalerie NUAGEでの作品展のお知らせ
2022年の大阪での個展の様子
2019年 浅草 Galerie NUAGE での個展

そんな美藤圭さんの個展が、この週末に浅草のギャラリー Galerie NUAGE (ギャルリ ニュアージュ)で開催されるので、お近くの方はぜひ足を運んでみてください。っていうお知らせがこの記事の唯一にして絶対の目的です(笑)

アートギャラリーなんて行ったことあります? 多くの人が、そもそもそんなお店がある事自体知らないかもだし、知っていても基本的に入ることがほとんど無いんじゃないかと思います。僕自身もギャラリーでお買い物したのはここ Galerie NUAGE だけです(笑)

そんな知らない世界に、異業種異業界のPUKUBOOKからあなたをお誘いしているので、怖いもの見たさでいいので覗いてみてください。

#僕は好奇心が強いタイプなのでこういうお誘いには絶対乗ります(笑)

アーティストやギャラリーにとって最も重要なのは「知ってもらう」や「見てもらう」こと(買わなくても大丈夫)なので、気軽に立ち寄っていただければと思います(って部外者がどの立場で言っているんだ)。

10月14日~22日 / 東区駒形1-11-9 都営地下鉄 浅草駅 徒歩1分 / フライヤーを見る限り今までより複雑で凝った図形が並んでいますね(ほしいなぁ)

【余談】アートを買うということと「応援」というお金の使い方

「アートを買う」という選択肢

まず、アートには「買う」っていう選択肢があることを知ってほしいという思いがあります。僕自身も「アートは美術館に展示されてそれを観に行く」という付き合い方しかしたことなかったので、「展示されている作品を選んで買って所有できる」というのは斬新な体験でした。

以前コラムにもちらっと書いたことがあるけど、美術館や植物園といった絶対に買って帰れない作品展でも「1つ買って帰るとしたら?」という視点で鑑賞すると自分事として一歩深い鑑賞ができるという持論がありますが、それが本当に買って帰れるんだからその鑑賞体験はより深いものになります。高級多肉植物を選ぶときのように、目を皿のようにして見る。なかなか貴重な体験です。

買えるものがあるのが「現代作家のギャラリー」

美藤圭さんの作品は ギャルリ ニュアージュのオンラインショップで購入できる のでお値段もご覧のとおりですが、それが高いか安いかっていう相対的な価値観は人それぞれだとしても、今すぐ買える金額か?っていう絶対的な金額は決してバカ高くないのはご理解いただけますでしょうか?

#あなたの銀行口座にこの金額が貯金されてるかどうかっていう話。ニュースやなんでも鑑定団で聞くようなアートの値段って何百万とか何十億円っていう世界だと思っていたけど、そうじゃないよっていう話。

何十億円なんて金額で取引されるのは世界的に有名で人気のあるごく限られた作家だけで、多くの現代作家さんは現実的な金額で購入できることが多いです。なので、最初から縁がないと決めつけてギャラリーをスルーするんじゃなくて、時々でいいのでチラ見してみてはいかがでしょうか。物の価値を見極める審美眼も養われますよ。

というのがこの記事で伝えたいことの1つです。

作品を買うことは「応援」でもある

アートを買う目的ってなんでしょう。もちろん自宅やオフィスに彩りを添えるとか、好きなものに囲まれて生活することで幸福度アップ、映えるインテリアをSNSにアップして好感度アップなど、アートそのものの持つ価値は十分に高いものです。

それ以外によく聞くのは「投資」。いずれ作家さんが有名になるととんでもない値段になることがあるという。ただこれは否定はしませんが当たり外れの大きなギャンブルなので、よほどお金に余裕のある人じゃないとキビシイ気がします。

もう1つ、お金を払うことの重要な側面の1つが「応援」であるということ。

実は美藤圭さんとは「家具の専門学校」での同級生で個人的な友人です。もちろんそれを差し引いても純粋に彼の作品が好きで集めたいという欲望もありますが、友人として知る彼の人柄も好きだし、何より彼を信頼してその活動を「応援」したいという気持ちで作品を購入しているという理由もゼロではありません。

「この作品を購入します」と言うと「ありがとうございます。これでエアコンが買えます!」とか言われるんですよ。そりゃワタクシがんばって作品代くらい出させていただきますよ! 彼の活動費全体からしたら微々たるものでしかありませんけど、って。

作品を買うことは、その作家の活動を応援することです。ものが溢れ、どの商品も当たり前にハイクオリティで横並びになっているこの時代に、あえてその店で、その作品を買う理由は「応援している〇〇さんの商品だから」という理由が多くなっていくと予言したのはたびたび登場するマーケティングの先生西野亮廣さんの言葉ですが、まさにその通りになっているなと実感する限り。

話を強引に戻しますが、多肉植物の世界にもありますよね。〇〇さんが生産した多肉植物を買いたい。〇〇さんが扱っている植物を。〇〇さんの作った鉢を……。その中にはもちろんそれが優れているから、好きだからということもありますが、その人の活動を支えたい、応援したいという気持ちもあるはず。

PUKUBOOKというサイトの利用や、公式ショップでのお買い物も、情報が優れているからとかモノが良くできているからという理由が一番であるのは当然ですが、いずれは「その活動を支援したいから」と言われるくらいになっていけたら良いなぁとぼんやり願っています(といいつつ明確に「ショップの売上はPUKUBOOKの資金です。お買い上げは支援です」って打ち出していますけどね(笑)

まとめ

「多肉植物コラム」としては番外編的な異色コラムで実際にほとんど多肉植物には触れていませんが、きっと多肉植物が好きな人だったら同じように好きになってくれるかなと思って紹介させていただきました。実際に多肉植物ショップの中にはアートを扱っているショップもありますし、コレクションアイテムという声質は似ているし、なにより「かわいい世界観」にも通じるものがあるのではないでしょうか。

アートとの付き合い方に「買う」とかアーティストを「応援する」と書きましたが、もっとも基本的で重要な応援は「知ってもらう」ことと「見てもらう」こと。見学だけでも大歓迎なので気軽にギャラリーに足を運んでいただけたらと思います。

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