今日は7月7日、七夕の夜。1年に1度、織姫と彦星が出会うとされるロマンチックな夜。けど、満天の星空の七夕なんて、最後に見たのはいつだったでしょうか。せめて手元にあるタニク畑を「星空」に見立て、2人の再会を祝福してみようと思います。
まずわかりやすく、植物そのものが星の形になっているもの。名前にも「星」がついているコが多いです。ただそのほとんどがいわゆる五角形の星(五芒星)ではなく、十字形の星(十字星)ですけど。
星型の花を咲かせてくれる多肉植物も多いです。グラプトペタルムはほとんどが星型の花で、近縁のセダムやクラッスラの多くも星型です。
カタチが星になっているのではなく、模様が「まるで星空」と見立てられた詩的なコたち。
こちらは名前に「星」とつくもの。カタチのイメージもありますが、大人気タレントとしての「スター」を意味しているものもありそうです。
最後に、本日の主役「織姫」と「彦星」の名を与えられたコたちに登場していただきましょう。寄せて植えてあげたら喜んでくれそうです。
ときどき「植物が五角形を描けるのが不思議」というコメントを見かけることがあります。これは幾何学(算数)で定規とコンパスで作図するとき、三角形や六角形はカンタンに描けるけど、五角形を描くのは結構大変ということに由来していると思われます。実際に「いまから描いてください」と言われたとき、三角形や六角形は何も観なくても描けますが、五角形の描き方は覚えてないのでカンニングしないと描けません。
ただ、実際にはそんなに不思議な話ではないと思います。
イメージとしては、5つの風船を束ねて(上下には広がらないようにしながら)5つ同時に膨らませたらどうなるか? ちょうど星型に広がっていくのが想像できますでしょうか? 植物がやっているのはこれと同じで、5つに分裂した生長点がそれぞれ反発する方向に生長していくと、結果的にそれが星型になります。やっていることは「5つに分裂する」ことと「同じスタート地点から外に向かって生長する」ことと、最後に「一定の大きさで生長を止める」ことですね。
個人的に1番不思議なのが「5つに分裂する(4つでも6つでもなく)」ことですが、それ以外はさほど難しくなさそうです。実際に植物がそんな仕組みで五角形や星型を作っていることが科学的に証明されたわけでもメカニズムが解明されたわけでもありませんが、たぶん、きっと大きくは間違っていないと思います。
このエピソードが「不思議」として語られるのは、きっと、生物学者と数学者の視点や考え方の違いかなーと思います。実はそのどっちの学問も片足突っ込んでいるのが僕のようなプログラマという職業なので、この手の話は語り始めたら止まらない興味深い話です。
本物の織姫と彦星はそれぞれ琴座のベガ、わし座のアルタイルという名前の星で、はくちょう座のデネブと合わせて「夏の大三角」と呼ばれています。この夏の大三角形やはくちょう座は大きくてわかりやすいので、夜空を見上げた際には目印として探してみてください。
ベガとアルタイルの実際の距離は15光年(光の速度で飛んで15年かかる距離)ほど。バカみたいにだだっ広い宇宙の中では「同じ町内」くらいの距離ですね(アルタイルと地球も同じくらいの距離ですが)。
今年は梅雨明けが早かったことと、台風の中休みが重なって、わりと奇跡的にきれいな星空が望めそうです。いつもは多肉畑ばかりみているかもしれませんが、今夜は夜空を見上げてみませんか?