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PUKUBOOK Succulent picture book

2022.10.7 繁殖センターになってる我が家だからこそお届けしたい、「アガベ ベネズエラ」の育て方

実は今までコラムでは扱ってこなかった「特定品種の育て方」。だってやり始めたらキリがない!ということもありますが、カンタンな育て方だったら種のページに書いたら良いわけで、あえてコラムで書くんだったらそこには載せきれないくらい具体的で価値のある内容にしなきゃいけない。そんなプレッシャーもありました。

なのでまず最初に取り上げるのは、我が家でも付き合いが長く、しかもうまく行きすぎてあやうく「繁殖センター」になりそうなくらい増殖しているアガベ ベネズエラを取り上げてみようと思います。

ベネズエラに特化した育て方ガイドですが、ほとんどのアガベも同じような感じでケアできると思います。参考にしていただければ幸いです。

ベネズエラとは

ただいま人気爆発中のアガベですが、見たこともない新品種ラッシュなトゲトゲが厳つくコンパクトでむっちゃ高いコといったイメージがあるかもしれません。ベネズエラは全部真逆で、古くからずっと流通していて、トゲがなく優雅なカーブを描きそこそこ大きなサイズになって、玄関先のシンボルツリーになっているコもよく見かけます。

植物名ベネズエラ
分類キジカクシ科リュウゼツラン亜科 アガベ属
学名Agave desmettiana f. variegata
原産地メキシコ
コンテナに寄植えにされたベネズエラ。奥は白閃光。似ているので相性が良いです。

もともとはメキシコ中部原産のデスメティアナという品種で葉っぱはすべてグリーンですが、その中から出てきた、葉っぱのエッジに数ミリほど細く黄色い斑が入るようになったものを「ベネズエラ」と呼んでいます。日本だけの呼び名のようで海外では「斑入りデスメティアナ」と固有名なしで流通しています(斑入りデスメティアナは他にも色んなタイプがあります)。ベネズエラの名の由来は未明です(もちろんベネズエラの原産ではありません……)。

直径は最大で50~60cm。花はめったに咲きませんが、咲くと株自体が枯れます。

アガベ ベネズエラ Agave desmettiana
アガベというと、ユッカに似ていて、あまり背が高くならず、大きくてもフロアサイズに収まって、葉っぱが大きく優雅にカーブ...

植える鉢とサイズ

植えた直後の鉢と株のサイズ。最初は「大きすぎじゃない?」と思うくらい余裕のある鉢サイズで。すぐにいっぱいになります。

葉っぱの広がり具合にもよるけど、基本的には苗の直径と同じか、小さくても半分くらいの鉢を選びます。いい環境でぐんぐん生長すると半年~1年程度で根がいっぱいになってしまうので、さらに大きな鉢に植え替えていきます。もうコレ以上大きくなってくれなくていいかなと思ったり、鉢の直径が36cm(12号)を超えてきたらそれ以上の植え替えは不要です。鉢植えではなく地植えにしているものもよく見かけます。

植え替えのときに傷んだ下葉をもぎってみたところ。茎を露出させると、そこを埋めない限りずっと茎が露出したままなので、積極的にもぎっていくと木立した草姿に作り込むことも出来ます(アテヌアータでよく見かけます)。

アガベは葉っぱの根もとを膨らませてぎっちぎちのカタマリを作りますが(球茎と呼びます)、栄養分はその球茎に蓄えられているので、傷んだ葉っぱを取るときも球茎部分は残して広がった葉先だけカットするとベターです。

置き場所・日当たり

屋内管理のベネズエラ。直射日光も指す明るい窓辺だけど、それでも日照は足りずひょろひょろです

観葉植物のユッカに似ているので室内でも育つような気がしますが、基本的に室内では日照が足りず、ひょろっとした姿になってしまいます(水やりをほぼしないと1年くらいこの姿のまま変わらず行き続けるので、それはそれでありかもしれません)。

最適なのは、カンカンに日差しの当たる屋外。基本的に暑さには強くよほどのことがなければダメージはありません(とはいえ、真夏の日中から昼下がりだけでも、少し木漏れ日の下に入るくらいの日除けはしておくほうが無難です。気遣い程度でOK)。

水やり

屋外に出しているなら、真夏と真冬の1ヶ月間はお休み。それ以外は雨の降らない日が1週間くらい続いた場合にたっぷりと水を与えます。雨ざらしの放ったらかしでも枯れたりしませんが、水と光がたっぷりあると驚異的なスピードでぐんぐん成長していきます。

冬越し

凍結被害でボロボロになったベネズエラ(それもまた趣があり…)

夏の暑さには強いけど、冬の寒さには弱いです。氷点下を切るようだと葉っぱの先端が凍結してダメージを追ってしまうことがあります。とは言え、小さな苗でなければ、株自体が枯れてだめになってしまうことも少ないです。手軽に移動できるサイズの鉢は室内に取り込むのが無難ですが、動かせないものはそのまま外に出しっぱなしでもOKです。ダメージを負っても元気に復活してくれるはずです。

これがその冬を越した7月頃
さらに翌年の5月。1年半かかりました

肥料

5月。黄色くなって元気無さそうな株
10月。すっかり元気に。

肥料が不足すると葉っぱが黄色くなって生長しなくなります。それからでも遅くないのでときどき肥料を与えましょう。銘柄は特に気にせず、百均にもあるふつうの化成肥料を規定量で大丈夫です。詳しくは肥料特集にて。ベネズエラも登場しています。

多肉植物に限らず、植物の育て方や管理方法に「肥料は要りません!」なんて書いてあることがあります。あ、そうなん? 要らな...

増やし方

根本から子株が出てきます

他のアガベと同様にカキコで増やします。株の根元から芽が出てくるのである程度大きくなったら掻き取って土に挿しておきます。子株は、直径10cm~30cmくらいの青年株が出やすくあまり大きくなると控えめになりますが、多いと1年で5本も10本も出てくるので、気づいたらベネズエラ繁殖センターのようになります。

生長の記録

2018年6月下旬 うちにきたときは葉っぱ数枚だったんだけど写真見つからず
2018年8月上旬 この夏に目を見張る爆発的な生長
2019年7月上旬 1年で鉢に収まりきらない青年サイズに
2020年7月上旬 30cmの鉢に植え替えて1年。子株もりもりに
2020年7月上旬 このとき採れた子株
2021年9月上旬 子株がさらに1年で立派な苗に……(以下無限ループ)

まとめ

昨今のイカついアガベブームと比べると、ベネズエラはあまり見向きされていない感がしてしまいますが、それはブームなアガベがスポットライト当たりすぎなだけ。ベネズエラは今も昔もずっと根強い人気があるし、だからホームセンターでもよく見かけて手軽に手に入ります。なにより、玄関先に植え込んでシンボルになるくらい大きさとインパクトのある樹形は個人的にとても好きなので、これからもずっと定番でいてほしいなぁと思います。

アガベ ベネズエラ Agave desmettiana
アガベというと、ユッカに似ていて、あまり背が高くならず、大きくてもフロアサイズに収まって、葉っぱが大きく優雅にカーブ...

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