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PUKUBOOK Succulent picture book

2023.12.1 あえて今こそ楽しみたい! かわいい品種が選びたい放題のプチプライスなハオルチアたち

いきなり不躾ですが「ブームは過ぎ去った」「昔の値段じゃ売れなくなった」「オワコンだ」なんて囁かれているとかいないというのが多肉植物ハオルチアの現状。たしかに5~6年前に「1株100万円を超す高級多肉植物」なんてニュース(定期的に流れる話題)の主役はハオルチアでした。そしてたしかに、あの頃のハオルチアは一部普及種を除いてどれもこれもめっちゃ高くてなかなか手出しできる世界ではありませんでした。

が、それを思うと今は「え? これがこの値段でいいんですか?!」と驚くことばかり。これはホントに嘆かわしいことなんでしょうか? いやいや、逆に、こんなにも多様で美しくてかわいい品種がお手頃価格で買えるんだから、それってめっちゃ楽しい世界ってことじゃないですか?!

今回は、そんな昔は高かったけど今は500円~2,000円で買える驚きの「プチプライスハオルチア」を紹介します。ハオルチアの世界の多様性と手軽さに気づいていただき、1人でも多くの人が「沼る」きっかけになればと願ってやみません。

ハオルチアの生態にも触れた1回目のハオルチア特集はこちら。

光を受けてキラキラと輝く、水晶やガラス細工のようなキレイ可愛さで人気の多肉植物。それが「ハオルチア」。 過去に「1株100...

かわいさ厳選「オブツーサ」

ハオルチアというと今も昔もトップクラスに人気なのが「オブツーサ」。僕自身、多肉植物をまったく知らない人にまずオススメしているのがこのオブツーサ。ただ「オブツーサ」と言ってもたくさんあるので、その中で特にオススメで間違いのないものをセレクトします。

ドドソン紫オブツーサ 古くからあり評価の高い品種ですが、海外で増産が進んでお手頃価格になってきました。これが安くいつでも手に入るなら他のオブツーサは要らないんじゃないかと暴論してしまいたくなるくらい完成度の高いコ。1家に1本ドドソンを実現するため安定供給に努めます
オブツーサ ゴースト 中央が白く色抜けして輝いて見える変異種。イベントなどで安く手に入るようになりました
水晶オブツーサ 「オブツーサをツヤツヤにするのが難しい」とお悩みの方はこれを探してください。むっちゃツヤッツヤになります。才能が違います
ハオルチア ブルーレンズ 窓の中にブルーの光が見えることがあるのがその名の由来。レンズ系は窓にチョビヒゲのような微毛があるのが好みの分かれるところ
巨大赤線レンズオブツーサ 同じレンズ系の赤っぽいカラバリ。カクタスニシさんが太鼓判を押しています
雫石 古くからある普及種でホームセンターでも見かけますが、実はいわゆるオブツーサの原点はこのコ
玉露 高級緑茶の名の通り深い緑茶色のカラバリ。ただ中国でオブツーサのことを「玉露」と呼ぶ習慣があって「〇〇玉露」は基本的に玉露とはベツモノなので単なる「玉露」を探してみてください

ちなみに「ギフトにオススメしたい多肉」の1位に推薦させていただいたこともあります。

「多肉植物やってます」みたいな話で友人知人と盛り上がったとき、「じゃあ今度何か贈るのでやってみてください」とプレゼン...

キラッキラの美しさがさらに引き立つ「斑入り・錦」

ハオルチアに限らず「斑入り」というと、一部の普及種を除いてどれもこれもお高いイメージでしたが、プチプラでも手に入る「斑入り」も登場してきました。

オブツーサ錦 花火 コントラストが強く細かく複雑な白ストライプを描く「斑入り」なのがわかりやすくかわいい品種。その質の割には手に入れやすく「オブツーサ錦」の入門としてオススメ
マックス 太く大きな葉っぱとアイボリーとグリーンのコントラストが強い鮮明斑。花火に似ているけどこちらのほうがマッチョです。カクタスニシさん作出
白蝶 十二の巻の斑入りタイプも以前はちょっとお高い観葉植物でしたが、ちょっと変わったタイプでも手軽に手に入るようになりました
ミラーボール錦 白いストライプが入るタイプ。むっちゃ高そうなイメージで実際にヤフオクで3,000円~6000円くらいですが、少なくとも僕はプチプラでゲットしました。チャンスを待ちましょう
白斑玉露(白水晶) 圧倒的高級種として評価の高い「糊斑」をデフォルトで持つのに普及種価格帯の斑入りハオルチア

もはや普及種なのか?「ジュエルプランツ」とくくられるには惜しい名品

ホームセンターに行くと「ジュエルプランツ」や「クリスタルプランツ」的なくくりでキラキラ窓のハオルチアたちがたくさん並んでいることがありますが、そんな中に昔はむっちゃ高かったアレやコレが紛れ込んでいて「まじで?」と思うことがあります。そんなうっかり紛れさせておくには惜しい、見つけたらすぐ買い物かごに入れたい美しいコをピックアップ。

白帝城 ベテランショップでは未だに3,000円~5,000円で売っている名品です
ミラーボール これも最初に見た頃は5,000円くらいするのが当たり前でした
雪の華 これらは以前から普及種価格帯ですが、その中では頭一つ抜けてかわいいコたちなので見かけたら救出してあげてください
京の華錦
ホワイトゴースト

往年の高級品種

「昔は高かった……」なんてセリフはあまり好きではありませんが(この特集でも何回か使ってますが)、そんなセリフが最もよく似合うコたちを紹介します。生長が遅く子株を吹かないから値段が下がらないはずだったコたちですら、その技術の進歩で普及種価格に向かう。その勢いは止められない。

天使の泪 ひと昔前は「高級ハオルチア」というとまっさきに名前が上がった代表種。今でも大株は十分お高いですがネット流通している小苗でよければ2,000円前後で入手できます
皇帝 どことなく「天使の泪」の廉価版みたいなイメージがありませんでした?今はどちらもお手頃価格です

多種多様なハイブリッドの世界

ハオルチアが評価された大きな理由の1つはその多種多様なハイブリッドたち。出たての頃はどれも高価でしたが、その中で人気や知名度のある品種は増殖や普及が進んで手に入れやすくなりました(逆に言えば淘汰が進んで優良品種だけ残っているとも言えなくもない)。同じ品種が同じ価格でいつでも手に入るわけではなく、逆に同じ価格帯で手に入るハオルチアは他にもたくさんあります。これらの品種を探しにいくというよりも、今まであまり見る機会のなかったハオルチアコーナーに足を運び、限られたご予算の中でも色々選べる楽しさに気づいていただいて、そこで出会った自分のお気に入りを連れて帰る、そんなきっかけにしていただければと思います。

インカローズ
マリリン
ラブハート
プラチナ
雪景色
細雪
樹氷
ハオルチア 指輪物語錦 錦はまだまだ高級品ですがプレーンな指輪物語はプチプラ
ナタリー
バディア ピンキー
ピクタギャラン
万象 白磁レンズ

まだまだ下火じゃない?! 新しい高級ハオルチアたち

ハオルチアはブームが過ぎ去ったからすべてプチプラで買えるなんてことはもちろんありません。昔からある高級品種は相変わらずお高いですし、注目される新品種もあります。これらも待てば価格は落ち着いてくるかも知れませんが、きっとまた新しい高級種が出てくるに違いありません。

スウェイ 近年注目されている新品種
白蛇伝 昔からある高級種
白銀の露 白蛇伝に並ぶ高級種
特ダルマオブツーサ錦 舞姫 「糊斑」はお高い印象。同じオブツーサ錦でも糊斑のこちらはまだまだプチプラまではいきません

まとめ

今回のコラムの目的は「プチプライスのハオルチアでもこんなに多様でかっこよくてかわいいコが手に入れられるんだ」と知っていただくことで、ハオルチアの世界に入っていくきっかけになればというものです。

市場価格が下がってくると、自分が持っている多肉植物の価値が下がってしまうようで嘆く方もいらっしゃいますしその気持ちもよくわかりますが、価格が下がることはより多くの新しい愛好家のたまごさんたちが入ってくるきっかけになります。新しい愛好家のたまごさんたちにより魅力的なたくさんの品種を提案することで、より早くディープに沼にハマって行っていただければ、図鑑編集者としてはそれに勝る喜びはありません。

出典 flic.kr
アロエに近い硬質葉系と、透明の窓を持つ軟質葉系でグループ分けされていて、軟質葉系がいわゆる「高価な多肉」。末端価格100...

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