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PUKUBOOK Succulent picture book

2023.7.28 我が家の失敗すべて見せます!――「実録」暑さに弱い多肉植物ランキング

暑中お見舞申し上げます。多肉植物にとって極めて厳しい季節である夏の真っ只中。前回はトラブルの原因別に症状と対策をまとめた記事を書かせていただきましたが、今回は自分の経験的に、どんな多肉植物がそんなトラブルに見舞われやすいのかをランキング形式でまとめてみます。

なお、もっと暑さに弱いコもいるかもしれませんが、あくまで我が家での実績だということと、そもそもうちにないということもあることをご了承ください。

では行ってみましょう!

1位 ルノーディーン

エケベリア ルノーディーン

偏見入っていることは否定しません。だって高いんだもん! 高いのに毎年のように全然夏を乗り切れないこのコ。 薄葉の斑入りエケベリアは全般的に繊細ですが、ルノーディーンは特に繊細な気がします。クリスペイトビューティなんかは価格が落ち着いてきていますが、先輩であるルノーディーンが高値維持しているのはその痛みやすさが一員じゃないかと思うくらい(クリスペは無敵の強さでよく増えるので来年辺りには普及価格帯になるんじゃないかと)。

ただわかってきたのは、少なくともうちで夏にダメにしてしまう原因は「日当たり不足」と「水不足」じゃないかということ。蒸れないように空かしながら、しっかり水をやって、ちゃんと日に当てるようにしていると元気にしてくれています。それに屋内のLED強光線環境がいい感じ。結局「夏だからって過保護にしすぎる」ことがダメなんだなということに気づいたことが、前回コラムを書くきっかけになりました。

多肉植物にとって最も過酷な季節「夏」がやってきました。SNSでもいろんな被害報告が連日上がっていて、我が家でももちろんい...

2位 アガボイデス

エケベリア アガボイデス

エケベリアは全般的に暑さに弱い傾向がありますが、その中で抜群に弱いのがアガボイデス。主な原因は風通し不良による蒸れ、いわゆる「ジュレ」です。暑さに弱いというよりむしろ蒸れに弱いのが正解で、早いと5月6月くらいから症状が出てきます。ただ原因は蒸れなので、下葉を空かして風通しのいいところにおいておくとわりと乗り切れるのも事実。ただし真夏でも極端な日陰を避けて短時間でもしっかり日が当たるところにある方が元気です。

ふといつものように多肉畑に目をやると、お気に入りのあのコが突然きれいな半透明ゼリーに……。じゃない。これダメなやつ。な...

3位 カンテ・アフターグロー

エケベリア カンテ
エケベリア アフターグロウ

実は経験的に夏が苦手だと思っていたこのコたち。完全に勘違いでした。厚いホワイトパウダーは日除けなので本来は直射日光に強いはず。実際に夏にダメにしていた原因は、ほとんど「水不足」。水をしっかりやっていれば、夏の炎天下の直射日光にもよく耐えてくれます。

4位 アエオニウム

アエオニウム リンクルドリーフ フェアリーインク

アエオニウムは全般的に夏が苦手です。夏の早いうちから葉っぱをすべて落として裸になってしまいます。ただそれは(ジュレてだめになってしまった場合もあるけど)休眠に入ったのかも。葉っぱが縮れてきたなぁというタイミングで適切に風通しのいい半日陰に移動して休ませてあげれば、また秋に芽吹いて復活してくれる……はず。

…の残念過ぎる夏季休眠期の姿

アエオニウム特集にて季節ごとの様子などをレポートしています。

この時期のSNSタイムラインを眺めていると「屋内に退避だ!」とか「不織布被せて完全防備!」とか多肉植物は観賞するのを諦め...

5位 センペルビブム

センペルビブム バーンステイン

センペルも同様に夏が苦手です。本来は高原植物ですからね。けど、ここはもう割り切って、半分くらいを引っこ抜いて休眠させてあげれば夏を乗り切るのはさほど難しくはありません。

多肉植物の育て方を調べてみると夏越しはたいていこんなふうに書いてあります。 - 高温多湿は避けましょう - 雨が当たらない...

6位 サボテン(ギムノカリキウム)

ギムノカリキウム 牡丹玉
ギムノカリキウム 緋牡丹錦

サボテンの多くは暑さに強いけど、アガボイデスのように緑のツヤツヤ系やギムノカリキウムなどは比較的弱いと思っています。これらは直射日光による高温障害が主な原因なので、半日陰などの日差しが柔らかく涼しいところに移動します。サボテンは成長が遅いのもあって、日差しが少し弱くなってもすぐに徒長することはありません。

ギムノカリキウム 九紋竜。表向きには「ちょっと水不足でシワが寄ったかな」程度なのに裏を向けたら中身が全部腐っていたなんてことに……。

7位 アガベ

アガベ ユタエンシス

人気のアガベは暑さに強いコが多いです。水のやり過ぎで葉っぱの上に水が溜まってそこからジュレていく……といった現象に要注意。我が家ではユタエンシスが特に弱い印象で、ユタエンシスだけは何回やっても半分くらいだめになっている気がします。

8位 ハオルチア

ハオルチア ドドソン紫オブツーサ

見た目と違い暑さには強いのがハオルチア。少なくとも我が家では、暑さでダメになったことがありません。蒸れには弱いので風通しが悪いと5月でも死にますが、風通しがよければ雨ざらしでも大丈夫。日晒しでも大丈夫ですが見た目に赤茶けてカリカリになるので園芸的にはダメかも知れません……。

9位 ディッキア

ディッキア ミラグレンシス

暑さにも寒さにも無敵でまったく表情を変えないのがディッキア。数が少ないのでたまたまうちにあるのが暑さに強い品種ということもあるかもしれません。

10位 カランコエ

カランコエ ファング

「モケモケは暑さ対策」を体を張って証明する安定の強さ。いろんなカランコエを見てきましたが、暑さでダメになったコを見たことがありません。軒下で放置しすぎて水切れで枯らしたことはありますが、わざとやっていた感はあります。

【余談】うちの環境+それぞれのお宅の環境

ちなみに「我が家の環境」とさらりと言っていますがどういう環境かと言うと、

- 日当たりと風通しは抜群
- 夏は半分くらいオーニングで遮光(遮光率80%程度)時間帯によってその影の位置が変わる
- 南面にフェンスがあってそのすぐ前は日中の直射は避けられる
- 暑さに弱いコは雨も直射もない軒下に退避しているがそれ以外は日晒しの雨ざらし
- 赤玉土主体の抜群に水はけが良く、水持ちも少ない用土
- ハウス?なにそれおいしいの?

特に「水はけの良い用土」がポイントですね。よく多肉植物の水やりの頻度を聞かれますが「用土次第」です。うちの場合は一般的に言われるような水やりの頻度じゃ全然足りません。真夏に毎日やっても大丈夫なくらい。

実は、多肉植物のプロになるほど「多肉植物はどうやって育てたらいいですか?」の質問には「あなたの家の環境次第」と答えます。人が使っている用土や鉢をそのまま真似ても自分の家でうまくいくとは限りません。自分の環境にあった用土や管理方法を見つけていくのが、本当のトラブル対策、本当の育て方なんですね。

まとめ

ちなみに、写真があるってことはもちろん実際に失敗してるってことです。わかった風に書いてるように見えるけど実はわかってない。いやいやプロだってけっこういろんな失敗してるんですよ(内緒ですが、この時期にナーセリーを訪問してみてください。広い園内ですからそりゃいくつかはトラブルが見つかります。逆にこれだけの数でこの程度のトラブルっていうのがすごいんですけど)。

知ることは知って予防はしつつも、失敗してもダメ元、気を取り直して次!くらいの心構えでいきましょう。

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