PUKUBOOKは、個人が趣味で運営している多肉植物図鑑サイトです。専業でもない個人がゆるゆるとやっている訳ですが、さすがに5年以上もやっているとそこそこの情報量になってきました。自分で撮影したオリジナル写真を掲載している種が1,300種。一言以上のオリジナル解説文を掲載しているのが約2,300種。内容はともかく、物量だけは一端の図鑑レベルになってきました。
いやいや物量だけあっても内容は全然及んでないでしょ?なんて思われるかもしれませんが、ところが意外と、なかにはプロが書いた専門書どころか日本中のどの図鑑を開いても載ってないような、PUKUBOOKにしかない情報を掲載しているページもあります。
今回はそんな「PUKUBOOKだけ」の情報の載ったページを集めてみました。言うなれば「がんばって書いたから褒めて!」案件です。はい。完全に僕だけの自己満足のためだけの特集です。それでもよろしければお付き合いください。
それではどうぞ!
図鑑を編集してる上で最も重要視してる情報が「由来」です。ハイブリッドならどこの誰がどんな交配親を使って作ったのか。原種であっても、学名の意味やどんな特徴から名付けられたのか。実はその多くは不明。それを探し当てたときは難解なゲームをクリアしたような喜びに一人で浸っています。
ググるとわかりますが「シャビアナとカンテの交配種」というのが通説になっています。この説の情報源は忘れちゃったか特定できていませんでしたが、独自に調査して「米国の品種登録」という超公式な情報からその答えを見つけました。
「オリオン」は羽兼さんの著書エケベリア1000種にも「不明」とあったけど、こちらも独自調査で「米国の品種登録」にその由来を発見。正確極まりない公式情報です。
「ルンデリー」は学名を調べると「セトーサデミヌタ」というらしい。じゃあルンデリーってどこから来てるの? 調べました。古い学名に「ルンデリー」というのがあるんですね。
名前はよく聞く「ざわわ」は「実は市場に流通していない幻の品種……らしい」です(業界の関係者から聞いた間接的な話なので「ウワサ」としていますが)。言われてみれば、ざわわのハイブリッドはよく見ますが「ざわわ」自体を見かけません。有名なのに幻の品種なんて、粋なことしてくれるじゃないですか。
高級エケベリアの代名詞「ルノーディーン」。カリフォルニアで生まれイギリスに渡り……PUKUBOOKが着目するのはその美しさだけでなく「由来」。日本一詳しいその来歴を掲載しています。
「マクロアカンサ覆輪錦」で流通しているニュータイプアガベ。調べてみたら「ブルーリボン」という名前が与えられたっぽいではないですか。これを同じものだとしちゃうのは越権行為なので控えますが、名前が与えられたよってことは記載しています。
マンガベはどこから来たのか? 実はマンガベを組織培養で増産に成功させたナーセリーさんが「MAD ABOUT MANGAVE」というブランドで独占管理しているんですね。そのあたりの情報を調べるとルーツや品種一覧などが詳しく出てきます。
学名は科学的に唯一絶対の特徴が定義されているので調べれば特定できますが、流通名や園芸品種名となるととたんに定義が曖昧になります。ましてやそれを学名と対応させようとするなんて……。幸い、PUKUBOOKでは紙面の制約を受けないのと、正解を特定せずあらゆる可能性を併記する方針なので、可能性があればあるだけ情報量が増え、一瞬で日本一の情報量になっちゃったページもあります。
「熊童子」や「子猫の爪」自体はむちゃくちゃ有名で色んな本にも載っていますが、その学名は文献によって本当にまちまちです。どれが正しいのかの決着はつけていませんが、逆にそのあらゆる可能性を全部載せています。また海外のサイトでは「熊童子」といった日本での流通名は存在しないので純粋に学名と特徴の対応がわかるのも大きなポイントです。
同様に、国内だといろんなタイプ違いと名前のバリエーションと学名との対応がよくわからないことになっている「ダシフィルム」たち。調べられる限りのバリエーションと特徴をまとめた日本一詳しいページです。
魔笛とトランペットピンキーとマジックフルートの関係性は?おそらくその発生源である中国や韓国のサイトから得られた情報からいろんな可能性を併記しています。
ググるとスペル違いがあったりするけど、そのうちのどれが正しいのかを特定したケース。
学名はラテン語だし、英語やスペイン語だったとしても外国語をカタカナ表記するとどうしても揺れます。いろんな言い方があるんなら、全部載せましょう。いやいやどうせなら、現地の人は英語やスペイン語でどんな発音をしているのかちゃんと調べて載せてみよう。今の時代にはYouTubeがありますからね。
ザラコーザ、ザラゴザ、サラゴサ……。Zaragozaeって結局なんて読んだらいいの? 英語とスペイン語の読まれ方を調べました。
見慣れない単語「Topsy Turvy」はなんて読むの? 「トプシーツルビィ」が近いっていう文献も見つけたけど、何に近いの? 英語では「トプシーターヴィ」って読むっぽいけど。この単語、もともと英語なんですって。
何とも読みにくいこのラテン語。表記も色々見受けられますが、英語での読まれ方を聞いてみると「イッスメンシス」って言ってるんですよ。もうこれで良くないですか?
本当にたまたまなんですけど、レア品種を集めていると、日本中検索してもうちにしか無いんじゃないか?と思うくらいレアな品種に出会うことがあります。世界中ググってもろくに情報が出てこない。そんな品種の正体を突き止めたときはなかなかのドーパミン体験です。大抵の場合は、たんなる名前の伝え間違いや聞き間違いなんですけど……。
ほぼ日本でうちにしか無いレア品種。よく増えるし、ビジュアル的にも人気がないので、決して高いものではありません。ただ、どれだけ詳しく解説しても、誰も必要としないコンテンツってことですよね。
「ロミエバース」としてやってきたこいつ。なぜ「ロンエバンス」の読み間違いだということに長年気づけなかったのだろうか。
「ベイリッチアーナ」は、あまり多肉を扱ってない近くの園芸店に手書きのラベルで置いてあったけど、ググってもまったくヒットしない謎品種。似たコはみつけたけどどうしてこうなったのか経緯がまったくわかりません。
「ドルフ」→「ルドルフ」。聞き間違いですよね。
「ルブラ」→「ルベラ」。これも聞き間違いかな。
「多肉については素人である」ということが幸いにして、専門書とはちょっと違った視点から情報が集まることがあります。そんな独自視点で記事を書いているサンプルを集めてみました。
有名なリキュール「グランマルニエ」を作った方のご子息(お坊ちゃん)に由来した名前。海外では有名な話っぽいですが日本では見かけたことがない逸話。
「玉ねぎハオルチア」なんて言っちゃ失礼だろと思いきや、たにっくん工房の松岡さんだけでなく、海外のサイトにも書いてあることを発見し、国際共通認識だと理解しました。
テキーラはアガベから作るという話は聞きますが、どのアガベを使っているかまで書いているところはレアです。実はテキーラの材料はこれ一択!他のアガベで作るとテキーラにはなれません。
さて今回この記事を書くに当たり、実際にいままで書いてきたオリジナル記事(写真と解説文)のあるページを一覧できるような機能があったら良いなーと思ってサクッと実装してみました。それがこちら。
ここから検索すると、写真と記事がガッツリ入った、まさに図鑑のようなページが一覧できます。といっても数は十分ではないし、順序も理想通りではないかも知れません。はっきり言ってこれは、僕が「これからこれを増やしていくぞ」という目標とその確認のために使うための機能です。
先週と合わせて、テーマは違いますが、たまたま「自己満足記事」が続いてしまった感じがするので、次回はガッツリ「育て方」にフォーカスした保存版記事をご用意できればと思います。